「人間魚雷回天」 1955年/日本

空軍の特攻隊は有名だけど、海軍にもありました。

回天は、魚雷を改造して、一人だけ乗れるようにして、
それで敵艦に突っ込んで玉砕する・・・という
人間兵器です。

この映画は、その特攻に志願した四人の学徒たちの
出撃前の心情の起伏を描いた映画で、
淡々としている中に、強く訴えるものがありました。

「戦争を始めたのが人間なんだから、
        戦争をやめさせるのも人間だ」

「人間の意志で、人間の命がこうも簡単に 
      あしらわれてもいいものでしょうか?」

「僕たちが死んでいくのは、無謀な戦いを
     無謀なものと気づかせるためなのです。」

セリフのひとつ、ひとつが、とても重たかったです。

驚いたことに、これは戦後わずか10年にして
作られた映画です。

戦争の愚かさ、悲惨さを訴える
力のある、非常に優れた映画だと思います。

よかったら、観てみて下さい。


ちなみに、この映画を観たのは、
回天訓練中に殉職した和田稔という回天特攻隊員の手記である、
「わだつみの声 消えることなく」(角川文庫)という
本を偶然手にして読んだからです。

この本で私は始めて、回天というものの存在を知り、
衝撃を受けました。

出撃すれば必ず死ぬ事を知りながら、訓練に励む日々。

祖国一億の運命を担っていると自分に言い聞かせ、
静かにその役目を果たす日を待つ・・・

日記につづられた特攻隊員の生活・心情、
その真摯な姿勢に、心を打たれたと同時に、
戦争の恐ろしさをあらためて考えさせられました。

戦争について、知ることが、
今の私たちには必要なこと・・・のような気がしています。


追記)

回天を題材にした横山秀夫の「出口のない海」が
映画化されてこの秋に公開になります。

で、よせばいいのに原作を読んでしまったわ・・・
さわりの部分でやめておこうと思ったのに、
一気に読んでしまいました。

主人公が自分が何故死ぬのか・・・について
答えを出す場面があるのだけど、
感慨深いものがありました。

これ以上は、映画を観てからにします。