「海辺の家」2002年・アメリカ


<あらすじ>

建築デザイナ-のジョージ(ケビン・クライン)は
CGを使えば同時に幾つものプランをクライアントに示せる時代、
昔ながらの模型作りにこだわる職人肌だったが、
ある日、突然長年勤めた事務所から解雇を言い渡される。

その上、突然倒れた彼は、医師から余命3~4ヶ月との宣告を受ける。

このまま死んで悔いはないのか、自分の人生は一体何だったのか・・・。

彼には10年前に離婚し、既に別の人と再婚した
元妻ロビン(クリスティン・スコット・ト-マス)と、
16歳になる反抗期の息子サム(ヘイデン・クリステンセン)がいる。

ジョージは自分の人生に、
そして息子サムとの関係にケリをつける決意をする。

最後の夏、一緒に家を建てる事で――。

ドラッグに溺れ、サイケなファッションに身をやつしたサムは
激しく抵抗するが、そんな彼をジョ-ジは無理やり連れ出し、
手始めとして、海辺に建つ自分の家を取り壊し始める。

息子サムを心配して見に来るロビンと彼女の二人の子供、
そしてロビンの夫。
隣近所に住むサムのクラスメ-トとその母・・・。

ジョージをとりまく人々が、
1人また1人と家作りに関わるようになる。

やがて皆の想いがひとつになる一方、
ジョージの容態は悪化していた・・・。


<感想>

いい映画でしたよ。

余命数ヶ月と宣告された中年男が、「その内、いつか・・・」と
日々の中に置き去りにしてきた人生の核心に向き合い、
そして・・・と、スト-リ-の展開は概ね読めるのですが、
それでもやっぱり泣き所で泣いてしまいました。

でも、暗く重苦しいばかりではなく、ところどころに
笑いどころもあり(ちょっと意味?だけど・・・)
海辺の断崖に建つ家の風景も印象的で、
ラストも全てを浄化したような、「綺麗な映画」でした。

倒れた主人公が運ばれた病院で、看護士さんに
体を拭いてもらうシ-ンがあるのだけど、
「誰かの肌に触れたのは何年ぶりだろう?」ってセリフがあって
ジョ-ジの孤独を一言でよく表わしているな~と感じました。

ジョ-ジ役のケビン・クラインは、役作りでしょうね、
だんだん痩せて行くんですよね。

主人公が日々衰えていくのが、よく分かりました。

息子役のヘイデン君は、繊細なティ-ンの表情を豊かに
表現していたと思いますね。

反抗的なのは、愛に飢えているから・・・ってヤツですね。
よくありといえば、よくありですが。

「スタ-・ウォ-ズ・EP2」のアナキンよりも、
こういう役の方が合っている気がしましたね。

黒澤の「生きる」を観た友人が、
「死に直面するまでの主人公の人生が”空虚だった”
というのが、今の自分には実感できない」って言ってたけど、
それは確かにそうだよね~。

私たちは「今を生きる」ことに一生懸命で、それなりに幸せで、
大切なものに囲まれて、頑張ってるからね~♪

でも些細な事では、「今度、またいつか」って
先延ばしにしている事はある様な気がします。

後悔しないように、今を大切にしたいですね。