皆さん、こんにちは!

 

相手の良いところを

「探して育てる」専門家

中小企業診断士・社会保険労務士の

ハラユキヒコです

 

 

 

最近、地元商工会の会員事業者の

皆さんと話をしていると

 

ある話題にとても関心を

高く持っておられるように思えます

 

 

中でも

 

 

「最低賃金の上昇」

 

 

この話題は

多くの経営者の皆さんが

いま非常に高く関心を持って

おられるテーマの1つです

 

 

******************

 

昨日、ある飲食店の経営者(A社長)の

ご相談に応じる機会がありました

 

 

A社長のお店では

パート社員を5人程度

雇用しておられますが

 

やはり最低賃金のことが

経営者としては

非常に大きな悩みの種に

なっているという話でした

 

 

いま、厚生労働省の管轄で

中央最低賃金審議会が議論している

目安案によると、

 

全国平均の最低賃金改定を

現行の961円から

今年秋に1,002円へ引き上げるという

41円の大きな幅での改定が

なされようとしています

 

 

A社長曰く、

もちろん人件費の原資となる売上や

粗利益額を上げていくことは

当然やらなければいけないものの、

 

このまま京都府の最低賃金が

40円程度も引き上げたら

5人のパート社員雇用を維持することが

難しくなるかもしれない

 

 

 

そんな不安な声が

聴かれました

 

 

 

このお店がある場所は

京都府の最南端・木津川市内です

 

 

 

木津川市をはじめとする

京都府の最低賃金額は

現時点(令和5年8月上旬)では

時給968円です

 

 

しかし、

このお店から300メートルほど

南に行くと

奈良県に入ります

 

 

現時点では

奈良県の最低賃金額は

時給896円

 

 

 

わずか300メートルの差で

時間給が70円も違ってきます!

 

 

 

奈良在住のパート社員側から見れば

奈良県内で働くよりも

京都府内で働く方が稼げる!

 

逆に、A社長のように

京都府内の事業所の経営者の立場では

わずか数百メートルの違いで

70円も高い人件費を払いたくない

 

 

お互いに言い分が

ぶつかり合うところがあります

 

 

A社長から聴いた話では

さすがに京都・奈良間の最低賃金の

ギャップをなんとかしないと…

という動きがあるそうです

 

調べてみると、

奈良県の最低賃金を大幅に求める趣旨で

奈良弁護士会が今年5月に

「会長声明」という文書を

ホームページで公開しました

 

 

 

この声明を読むと、

 

奈良県内の最低賃金を950円程度に近づけて

隣接する京都府や大阪府などとの

格差縮小を図る一方、

 

雇用関連の助成金をもっと使いやすくしたり、

社会保険料の企業負担部分を減免するなどの

補填措置をセットで行うことが重要

 

と書かれています

(詳細はこちらで → 奈良弁護士会・会長声明のリンク )

 

 

私自身もこの方向性には

「賛成」です

 

 

日本企業の最低賃金を

上げていくことは

否応なく必要になってくることですが、

 

残念ながら多くの中小企業は

自力で賃上げに応えられるほど

経営体質がまだ改善していません

 

このまま、今年秋に

全国平均の最低賃金が

1,000円を超えるようだと

 

先ほどのA社長の飲食店のように

人件費負担に耐えかねて

スタッフの雇用を減らしたり、

 

最悪の場合は

廃業・倒産に追い込まれる

ことも考えられます

 

 

幸い、昨年度は

過去最高益を出した企業が

多かったこともあり、

 

 

財務省の当初の目安(68兆円)を

約3兆円上回る

71兆円の税収でした

 

 

この3兆円を財源として

中小企業側に補填するという話も

一部では出ているそうですが、

 

メディアでは

「サラリーマン増税」の話ばかりで、

あまりこの3兆円のことには

触れられていません

 

 

1週間ほど前に公開された

「高橋洋一チャンネル」の中で

最低賃金の上げ幅に関する解説を

されていたことを

A社長に紹介したところ、

 

A社長は大変興味深く

話を聴いてくださいました

 

 

高橋先生の話によると、

 

今回は995円までで抑えるのが筋、

1,000円を超えると上げすぎで

中小企業が苦しくなる

 

逆に、1,000円まで

上げられないのであれば

 

差額となる5円程度の

人件費規模で減税する

などの措置が必要、という話でした

 

 

興味がある方は

こちらのリンクの動画をご覧ください

 ↓  ↓  ↓

 

 

いずれにせよ、

労使双方にとって

100点満点の回答は

現実的ではないので、

 

どこかで「落とし所」を

探らなければなりません

 

 

今年の秋、

最低賃金の上げ幅をめぐって

何かが起きそうな予感がします…

 

 

 

嫌な予感にならなければ

良いのですが…

 

 

くわばら、くわばら…

 

 

 

 

 

今日も最後まで読んでいただき

ありがとうございました