皆川雅舟 「書と人生1」より 本当にいい書とは、 | ブルーの「書自由也」ブログ

皆川雅舟 「書と人生1」より 本当にいい書とは、

守拙(せつをまもる)  〔皆川雅舟 書と人生1より〕
  前略
 書とはまことに不思議なものである。書き手の心理状態がまともに書に表われてくる。だから不思議というよりもこわい存在にさえなってくる。その反面、運・鈍・根といわれるように、特別な才能がないごく平凡な人でも、熱心にやりとげれば必ず何物かが得られてくる。
 本当にいい書とは、不器用な人が長い間の修練の結果到達したものであって、器用な人が器用に任せて書いたものではないといわれている。それがあるからこそ書に志し、あるいは書を心の友として人生を送る人たちが多いのであろう。才能あるものはもちろん、心の境地が拙(せつ)に到れば、よりよい作品が生まれてくるのは当然のことである。

書を学ぶことは人生学を学ぶことだとつくづく考えさせられてくる。
書技の向上につれて人間性の向上をはからなければ、書き上げた書はまた奴書(どしょ)に終ってしまうことになってくる。
   略
雅門会書展 代表 皆川雅舟書 五言二句
ブルーのブログ-皆川雅舟
この書は、右は右肩上がりの書、左は右肩下がりの書となっていますネ