恥ずかしながら安野さんのことはあまり知識がなく、ただヨーロッパの絵をたくさん描いておられるということだけ覚えていってまいりました。
スケッチと絵本用の絵が100点ほどあったのですが、それぞれに安野さんの心情やこだわりがつまっているように見えました。特にスケッチの方は、現実の色よりすこし暗めに彩色してあるのがいい。空の色も真っ青というのはあまりなくて、グレーとか黒とか暗いオレンジ…その、変に希望に満ちすぎてないところが、地に足がついているようでとても心に沁みました。
まっすぐなラインが多いのもまたいいなと。安野さんの性格というか、絵への真摯な姿勢が垣間見えたような気がしました。
加えて安野さんの白の使い方もとても好き。真っ白はほとんど使われず、ちょっとグレーが入ったり、クリーム色に見えたり、青が入ったり、現実的な白がそこにありました。
ヨーロッパの風景を見ながら何を感じ取ってあのような絵を描いたのか、考えながら見るのがすごく面白かったんです。
絵本の絵の方は、スケッチとはまたすこし違って、本当に細部まできっちり、可愛らしく描かれていました。
特に派手な色を使っているわけでもなく、大きな動物がでて来るわけでもなくて、ヨーロッパの国々を訪れたらひょっとしたら出会えるのかな?と思える優しい風景たち。そんな風景が安野さんによって切り取られ、ついつい細かいところまでじっと見たくなるような、魅力的な絵になってました。スケッチとはだいぶ書き込み量が大きく異なるので、比べて見られたのもまた面白かったです。
そして最後に、美術館が所有しているゴッホのひまわりやゴーギャン、セザンヌの絵もみられたのですが、一緒に飾られていた東郷青児の作品に目を奪われました。
ほとんどが、目のない少女の絵だったんですが、指も首も足も背景も、本当に美しいの。まるでCGで描いたんじゃなかろうかという精密さが素晴らしくて、数点だったけどすっかり虜に。
すると、秋に東郷青児の展示があるそうです!
これは楽しみ!
