床の間を分類するときによく「真(行)の床の間」とか「草体の床の間」といった言い方をします。この「真」「行」「草」とは書における楷書・行書・草書と同じで、正式で格式の高い形からいかにくずしていくかという程度を表しています。その基準は極めて曖昧で主観的なものなのですが、床構えの形から考えれば、床の間・床脇・書院が揃っているものが「真」、床脇・書院のいずれかを省略したものが「行」、床の間だけのものが「草」と言う風な感覚で捉えてもらうと理解しやすいかもしれません。

写真は北海道開拓の村にある鰊番屋の床の間、「真」「行」「草」がミックスされている。天井から吊り下げられたランプがいかにも北海道らしい。