住宅の部屋の構成や構成を表す言葉として間仕切り(まじきり)と室礼(しつらい)があります。間仕切りとは、言葉の通りに間(ま)仕切るという事で、部屋の配置や構成などを表しています。間とは柱と柱の間の空間を指していて、その柱により組まれている屋根の下の空間を仕切りと言います。なぜ、その空間を「仕切り」というのかというと、日本の建築と西洋建築の建て方の違いにその答えがあります。西洋建築では、各部屋を先につくってから最後に屋根をつくりますが逆に、日本の木造建築では先に屋根をつくってしまうため、そこに空間ができそれから各部屋に仕切っていくのです。「間仕切り」という言葉は、実に日本の木造建築の特性そのものを示した、日本の気候や風土から生まれた言葉でしょう。

室礼とは平安時代に生まれた言葉で、本来、無個性な部屋をちょっとした道具でその時々の用途や目的に合った空間に変えるという先人の知恵からきた意味を持っています。例えば、ゴザや畳を敷いたり、ついたて、びょうぶなどで仕切りをしたり、床の間に掛け軸や花を行けたりなどという事です。

写真は三重県のNさま邸、Nさまのセンスの良さが現れた現代風の室礼です。