古民家の屋根の下地=小屋組は、大きく分けて和小屋(わごや)と呼ばれる水平な木材に束と呼ばれる短い柱の様なものを建てて、更に水平な木材を乗せていく構造の物と、建物の外周面から屋根の頂点目指して木材を斜めに渡していく。山形に組み合わせていく合掌(がっしょう)とに分類出来ます。

和小屋の場合は屋根の重量を水平に掛け渡した材料が曲がることで支えており、材料が太ければ太いほど大きな空間をその下に設ける事が出来き、バリエーションも多い構造です。

屋根の頂点の木材の下に更に二重に渡される木材を牛木(うしぎ)などと言います。牛木は牛梁とも呼ばれ、和小屋で妻側か小屋梁方向に掛けられた大きな断面の梁の事を指します。重荷を背負う梁の意味もあり、建物によっては背骨のように10mを越える1本の長い大きな部材が使われていて、小屋裏に上がると圧倒される事があります。

合掌はカヤ葺きなどの古民家でよく見られる構造で二つの部材を山形に組み合わせて三角形(トラス)で重量を支える構造で、小屋裏の空間を自由に使えるというメリットがあります。切り妻だけでなく寄棟のように四隅から掛け渡す事も出来ます。よく登り梁(のぼりばり)の事を合掌と間違う方もいますが、合掌作りの場合には垂直の部材が使われないので注意して観察してみてください。

合掌造りの古民家