建具について。

古民家は壁の少ない構造であり、各部屋の仕切りは板戸、障子や襖などさまざまな建具が使われ。いずれも現在では再現が難しい価値あるものが多いので大切に使えるものは再活用したい。

主として欧米に多く、周囲の枠組の部材強度と接合強度に頼って固められる建具を「框戸(かまちど)」と呼び、日本の建具は軽くするために、周囲の枠組を細くする代わりに、その内部に補強のための細桟を数多く入れた「桟戸(さんど)」が多く用いられた。

主な「桟戸」として、「舞良戸(まいらど)」、「格子戸(こうしど)」、「雨戸」、「簀戸(すど)」や「紙貼障子」や「襖(ふすま)」などがある。

「桟戸」は見た目の軽快さを身上とする建具であり、部材は細くて薄くなるため、強度や精度を保つためには材料の吟味が重要。素直で目の詰んだ針葉樹の良材、樹種としては杉や檜などが使われる。

桟戸の中で一般的なものに「舞良戸(まいらど)」があります。「舞良戸」とは書院造りの建具。框の間に板を張り、その表側に「舞良子(まいらこ または舞良桟という)」とよぶ桟を横に細かい間隔で入れた引き違い戸。

「舞良子」は奇数本入れることを原則として、片面だけに横に入れた舞良子に縦に3~4枚矧ぎとした厚さ6mm程度の薄板を釘留めしてつくられる「横舞良戸」が一般的。「舞良子」を奇数本入れる理由は日本において奇数が縁起のいい数であり、中国では偶数が縁起のいい数となる。広縁の板の枚数なども奇数が日本では好まれる。


詳しくは古民家解體新書Ⅱ P262からをごらんください。