富貴寺大堂(ふきじおおどう)は、大分県豊後高田市田染蕗にある天台宗の寺院で、平安建築のひとつとして貴重な存在。

1952年11月22日に国宝に指定されている。

住宅総合研究財団の1993年の木造住宅の耐震性の論文によると、耐震の要素として古代(奈良、平安時代)は長押(なげし)が重要な役割を担っていた。

この長押の構造が確認できるものがこの富貴寺大堂である。

ちなみに、筋交いは在来工法のみで昔の伝統構法には使われていないと勘違いされる方も多いが、在来工法の仕様が示されている昭和25年の建築基準法の元となった大正8年の市街地建築物法にも筋交いの規定はあるし、平等院鳳凰堂が平安時代末期に修理された際にも筋交いが入れられていたのでその歴史は貫と同じく長い。ただ普及しなかっただけである。


Photo 富貴寺大堂 by Wiiii