今日は古民家解體新書Ⅱの表紙の写真のお話です。

今回使わせていただいたのは新幹線が開通した北陸金沢にある金沢市立中村記念美術館の旧中村邸です。撮影は前回と同じく建築写真家 田岡信樹氏にお願いしました。





旧中村邸は昭和3年(1928)酒造業中村家の住宅として旧元車町(現長土塀3丁目)で建築された間口6間の重厚な正面外観が特徴で、2階座敷の2間幅の床、付書院や棚の造り、春日杉の天井板などが残された古民家です。現在の地に移築され昭和41年から平成元年まで中村記念美術館の本館として使用。新館が出来た後は再度改装され現在は茶会や花展など多目的に利用できる施設となっています。

中村美術館は金沢で酒造業を営む実業家で茶人の中村栄俊氏(1908~1978)が金沢に美術館を作ろうと志を立て、それから精力的な収集が始まり、昭和40年、「美術品は一個人のものではなく国民の宝である」という信念のもと、中村家住宅を展示棟として昭和41年5月開館した。その後、同50年7月、所蔵品が金沢市に寄贈され、金沢市立中村記念美術館として再発足、平成元年11月、市制百周年を記念して新館が開館しています。

所蔵品は、茶道具、近世絵画、古九谷、加賀蒔絵など、中村氏収集の名品を核に、個人からの寄贈や市費による購入が加わり、現在、重要文化財5点、県指定文化財1点、市指定文化財8点をはじめ約千点を数えるそうです。

金沢市立中村記念美術館
石川県金沢市本多町3-2-29 TEL(076)221-0751 





旧中村邸の紹介ページです。
http://www.kanazawa-museum.jp/nakamura/info/info_troom.html



建築写真家田の岡信樹(たおか のぶき 1971年-)氏は愛知県名古屋市出身。芝浦工業大学工学部建築工学科卒業。
日本を代表する建築写真家の一人であり、デジタルフォトグラファーの第一人者。
日本建築写真家協会会員 日本写真学会会員。
電子書籍による建築写真集「一生に一度は行きたい日本の名建築・DAP(Documentary Architecture Photography)」シリーズを世界13ヶ国に同時リリース、日本の建築を海外に広く紹介されています。

建築写真家 田岡信樹 HP
http://www.nuts-plan.com 

*こちらの写真は田岡氏の著作物ですので転載はご遠慮お願いします。


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