掛け軸とは床の間に飾るもの。鎌倉時代後期に禅宗の発展で水墨画などがかけられるよになり広がった。室町以降「茶の湯」にかける掛け軸の千利休が説いたとされる。



掛け軸は座って見上げた時にもっとも美しく見えるように仕立てられており、様々な種類がある。上下に軸ががあり、掛け軸は大きく分けて上部(天)、本紙を飾る中回し部分、下部(地)の構成になる。中回しは天地とは異なる素材や模様が使われ、飾る水墨画などの周りに縁取りが入り、上下には水墨画などが引き立つように一文字と呼ばれる帯が入れられる。

それぞれのパーツを重ねて張り合わせるのではなく裁縫と同じようにそれぞれに裏打ちして作られます。



また上下に軸が入る形式を軸装と言いますが、この前茨城の大沢表具内装店の大澤さんに教えていただいたのですが禅宗などは殺生を嫌うので象牙などは使わないそうです。


茶室のみならず座敷でも床の間に掛け軸は必需品ですが、掛け軸はおもてなしをするお客様に合わせ、季節や好みを考えながら飾られていました。いわば現代のウェルカムボードと同じですよね。

日本人の感性、おもてなしの表現のひとつで、現代は床の間のある家は少なくなっていますが是非その考え方だけでも取り込みたいですよね。

こちらの写真は昨年お伺いした福井のおさごえ民家園での北信越地区大会で飾られていた掛け軸。
こういう遊び心大好きですね。


古民家とは違い、表装は素人知識なので間違っている部分もあるかもしれません。間違っていたら是非教えてください。