古民家のメリットは夏涼しい、張り出した軒先や白い外壁、壁の少ない構造で風通しが良く日射が入らないので涼しいのである。しかしデメリットは「寒い」。古民家は夏を快適に過ごす工夫がされた住宅で冬寒いのは当然だが、冬場我慢しながら生活するわけにもいかない。



寒い冬場に暖をとるために部屋全体を暖めるのは通気性の高い古民家では難しく、囲炉裏などの局所暖房で生活してきた。雪の多い地域では床を作らずに土間で生活する「土座住い」が多いのを見ると床を作るのは寒さ対策にはならないのであろう。

土壁は断熱材ではなく熱容量の大きな暖まりにくく冷めにくい材質である。断熱材を床、壁、天井に施工し、隙間風が多い開口部などの気密を高める必要がある。具体的にはアルミサッシ、ペアガラス、樹脂サッシなどへの交換。

隙間風対策として簡単なもので言えば、例えば木製建具の柱との隙間を調整したり、召し合わせ部分に印籠決(いんろうしゃくり)などをおこなうなどを実践してみる。隙間風が減るだけでも暖かく感じれる。

先週東京での伝統再築士のスキルアップ講習で藤木委員長が話されていたが、

熱移動の3原則
伝導

対流

輻射

を上手にコントロールする必要があり、気密性も検討が必要である。
断熱、気密性を適度に上げることは夏場のエアコンの効きも当然良くなるので快適性もあがる。