”江戸から明治時代にかけアイヌとの交易で、ニシン、鮭、昆布などの交易が活発となり買積み廻船(かいせん)の北前船(きたまえぶね)により特産物が運ばれた。ニシン漁で財を成した網元が競って建てたのが鰊御殿と呼ばれる家屋である。ニシン番屋とも呼ばれ上座敷に違い棚、床柱に黒檀を使用したものが多かった。本州からケヤキを運び、廊下に生漆(きうるし)を施し、欄間なども兼ね備えた豪華な物が多い為御殿と称される。多くの建物は平屋形式で、屋根には瓦が使われている。”

古民家解體新書Ⅱより

鰊御殿(にしんごてん)は鰊番屋(にしんばんや)とも呼ばれ、ニシン漁で財を成した贅を極めた北海道の古民家です。今回北海道開拓の村で初めて見学しました。



建物の大きさにも圧巻ですが、屋根構造にも特徴があります。大きな屋根を支える小屋組はトラス構造の洋小屋です。洋小屋は長いスパンを柱なしで飛ばすことができるので広い空間を作ることができるのですが、見学した旧青山家住宅はそのトラス構造も今まで見たことがない構造で勉強になりました。



北海道の寒さを防ぐためか、基礎にレンガが積まれています。



内部は玄関から入って左は漁師たちが寝泊まりする大広間、右側は和室が並ぶ間取りとなりますが、座敷に置かれた毛皮がなんとなく北海道らしいですよね。



NHK連続テレビ小説「マッサン」に登場する漁師の網元・森野熊虎の鰊御殿としてたびたび撮影がされたそうです。