古民家の楽しみ方に庭を眺めるというものがあります。
各家趣向を凝らし、日本の四季や山河を箱庭とおなじように凝縮して表現します。


写真は丸窓が有名な京都 源光庵

庭の構成物の一部を紹介します。

灯篭(とうろう 燈籠とも書く)

灯篭は日本庭園に置かれる伝統的な照明器具のひとつ。

木枠と紙で作られたものは神棚などで使用され、

庭で使われるものは石製か金属製の金属灯籠(銅灯籠)や、

吊下型の吊下灯籠などがあります。

石は花崗岩(御影石)がよく使われます。

上に乗る玉ねぎ形状の「宝珠(ほうじゅ)擬宝珠(ぎぼうし)とも呼ばれる」、

火袋の屋根になる「笠(かさ)」、灯火が入る部分で灯籠の主役「火袋」、

火袋を支える部分で最下部の基礎と対照的な形をとる「中台」と、

もっとも長い柱「竿」と六角形や円形の形状の最下部の「基礎」で構成されます。


春日灯篭、朝鮮灯篭、織部(おりべ)灯篭などの種類があります。

春日灯篭は神社仏閣で多く見られるもっとも一般的な形、

織部形灯籠はつくばいの鉢明りとして使用する、四角形の火袋を持つ活込み型の灯籠。

その為、高さの調節が可能で露地で使用されます。


竹垣

竹垣も庭の景観に重要な役割を果たすもので、

竹垣には、背景が見せる「四つ目垣」や「光悦寺垣(こうえつじがき)」と、

目隠しに使う「建仁寺垣(けんにんじがき)」「沼津垣(ぬまずがき)」などがあります。


飛石、敷石

飛石や敷石は雨の日に草履や着物が濡れないようにする実用的な側面と、

鑑賞的な美を求め設置されます。

その形態で真行草の形式があり、複数の石を短冊状に並べたものを「敷石」や「延段(のべだん)」、

ひとつづつ離れて設置されたものを「飛石」といいます。


蹲(つくばい、蹲踞)

蹲は庭の添景物の一つで露地(茶庭)に設置されます。

茶室に入る前に、手を清めるために置かれた背の低い手水鉢(ちょうずばち)に役石をおいて趣を加えたもの。

手水で手を洗うとき「つくばう(しゃがむ)」ことからその名がつきました。

もともとは、茶道の習わしで、客人が這いつくばるように身を低くして、

手を清めたのが始まりで茶室という特別な空間に向かうための結界として作用します。


鹿威し(ししおどし)

農作物に被害を与える鳥獣を威嚇し、追い払うためにかかしや鳴子などとともに設けられる添水(そうず)。

中央付近に支点を設けて支え、上向きに一端を開放した竹筒に水を引き入れ、

竹筒に水が満杯になるとその重みで竹筒が頭を下げ水がこぼれて空になり軽くなり

竹筒が元に戻る際に石を勢いよく叩き音を出します。

もともとは鳥獣を追い払う農具として使用されていましたが、

音が風流だとして後に庭の装飾として設置されるようになりました。