古民家の庭には植栽(しょくさい)が植えられるが、その目的は鑑賞用以外にどういう目的があるかご存じでしょうか。

植栽の目的は、

1,観賞用として松や桜などが植えられる。

2,防風林として高木、中木、低木が面となるように植えられます。

3,家具や建材として資源になるように利用され、また薪などの燃料材としても使われます。

4,食用として実なる木、桃や柿や栗などと、柑橘系樹木など

庭によく植えられる植栽については、

冬にはが落葉しない常緑樹(じょうりょくじゅ)と

冬場葉をつけない落葉樹(らくようじゅ)があり、

葉の形態により葉が針状の針葉樹と葉が平たい広葉樹があります。

植栽については地域性が強いためここでは一般的とされるものを紹介すると、 高木(喬木(きょうぼく))として樹高が3m以上になる植栽の上層空間を占めるものとして、

松、杉、イヌマキ、檜、モッコク、ヤマモモ、イチョウ、ケヤキ、桜などが植えられ、

根元から複数の幹が伸びる「株立ち(3本以上多幹になったものを武者立ちという)」と1本の幹が伸びる「一本立ち」、2本の幹が立ち上がる「双幹」があります。

中木として樹高が2m前後のもので高木の前や間に用いる。ヒバ、イヌツゲ、ウバメガシ、サザンカ、椿、ヒイラギなど。

低木は樹高1m以下のもので潅木(かんぼく)ともいい、樹幹と枝の区別が明確でないものが多く、ツツジ、シャクナゲ、キャラボク、ナンテンなど。

下草類としては常緑多年草のツワブキ、ユキノシタ、リュウノヒゲ、

夏緑多年草(かりょくたねんせい)のアヤメ、フキュジュソウ、ユリ、リンドウなどもよく使われます。

シダ類としてゼンマイ、トクサ、イワヒバなどが用いられる。 苔もよく用いられ、オオスギゴケ、コスギゴケ、クラマゴケなど。

芝は高麗芝やノシバが日本の気候風土にあっており、手入れも簡単な部類なのでよく用いられます。

高麗芝やノシバは冬枯れる(夏緑性)芝です。



富山県砺波市に残る「アズマダチ」と呼ばれる散居村の古民家では垣饒(カイニョ)と呼ばれる屋敷林が植えられています。木の種類として、高木は杉、ケヤキ、エノキなどで高いものは30m程度の高さに育っています。

中木としてミズキやヒメサカキ、低木としてキャラボクやウメモドキなどが防風、防雪の目的で地域で共通性を持たせた方向で植えられています。



屋敷林として有名なものには他に、仙台の「居久根(いぐね)」、出雲平野の「築地松(ついじまつ)」などがあります。



庭に植栽を植えることで寒さや暑さを和らげる効果もありますし、何より癒されますよね。綺麗なお庭を見ると、建物も大切に扱われていると思います。