今日は坪庭について。

坪庭は開口が狭く奥行きの長い京町家で採光と通風を確保するために設けられる空間が起源であり、趣向を凝らした鑑賞や癒しを目的とした「坪庭」の文化を形成しています。

現在は京町家の坪庭は中庭とも呼ばれることも多く、坪庭は庭の全体や一部を垣根などで囲い、草花や木、竹、飛び石や灯篭などのオブジェを配置する小さなスペースを意味することが多いです。

建物で囲まれた空間にあるものを坪庭というのに対し、
規模が大きく外部に面した敷地に配置されるものを庭園(ていえん)あるいは庭と呼び区別します。
また、京都では建物の表から裏口まで続く土間のことは「通り庭」といい、これは屋根がある土間部分を指します。

表側の「店庭」と、流しがあるプライベートな空間の「走り庭」とに分かれ、「走り庭」は吹き抜けで梁が見えます。奥行きのある京町家の風の通り道です。京都以外では「通り土間」とも呼びます。
古民家の前に設けられる庭は「前庭」と呼ばれ、お客様を迎えるためのスペースで、石が敷かれアプローチを明確にしつつ、季節の花や蹲(つくばい)などが置かれます。

また前庭は地域のコミュニティーの場でもあり、半公共的な機能を持たせることもあります。