法隆寺の築地塀

版築は土塀などに使われる施工法であり、三和土と同じ方法で築かれる。
現在はほとんど聞くことがない言葉だが、その堅牢さはコンクリートより長い耐久性が示している。

版築(はんちく)とは主に家屋の壁や城郭の土塁などの建設に用いる土壁に土や石(礫)若しくはそれらと少量の石灰等の混合物を混ぜて建築の基礎部分を堅固に構築するために古代から用いられてきた工法。現在ではセメントを混ぜた土コンクリートといったほうがよいものを版築という場合が多いが本来は別物である。また、版築という語は、工法自体を指す場合と、構造物を指す場合がある。

版築の作成方法は、
1,版築を積み上げる場所の両側を長さが1.5m程度、高さ10cmぐらいの板で囲み枠を作る。
板の高さを高くしないのは薄いほうが頑丈であるため。枠は横に支えになる柱を立てるなど、強い構造にする必要がある。

2,板で挟まれた間に土を入れ、たたき棒や「たこ」と呼ばれる道具で、入れた土を硬く突き固めていく。頑丈にするために土に小石や砂利、藁や粘土と石灰などを混ぜることもある。

3,板の高さいっぱいまで突き固めたら、板の上に新しく板を継ぎ足すか、今の板を外し次の枠を作りこれを繰り返していく。

法隆寺の築地塀は表面に水平方向に線が走っているが、これは版築を作る際についた枠板のあと。