世界中でいま問題となっていることに「ミツバチが大量にいなくなる」という現象がある。2013年12月、欧州連合(EU)で3種類のネオニコチノイド系農薬(クロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサム)の使用が一時禁止になり、欧州食品安全機関(EFSA)は、ネオニコチノイド系農薬(アセタミプリド、イミダクロプリド)の2種類について「低濃度でも人間の脳や神経の発達に悪影響を及ぼす恐れがある」との見解が発表されました。

ミツバチがいなくなっても大した影響はないって思う人もいらっしゃるかもしれませんが、ミツバチがもし絶滅したら…

国連環境計画(UNEP)アヒム・シュタイナー事務局長が世界の食料の9割を占める100種類の作物種のうち、7割はハチが受粉を媒介していると2011年に報告しており、

リンゴ、アーモンド、アスパラガス、ブラックベリ、ブロッコリー、メキャベツ、キャベツ、カカオ、ニンジン、カリフラワー 、セロリ、サクランボ、ナス、ニンニク、ライチ、マカダミア、マンゴー、ナツメグ、タマネギ、パッションフルーツ、桃、梨、梅、かぼちゃ、ラズベリー、ポンカン、スイカなどが取れなくなってしまいます。


人類は4年以内ぐらいにいなくなってしまうのです…。



ネオニコチノイド系農薬といっても「ピン」とこないですが、白蟻の薬と言えば皆さん「ピン!」と来ると思います。

ミツバチへの悪影響だけでなく、人への影響についても報告され世界では規制されている中で日本の対応は少し違っている。白蟻の薬だけでなく農薬としても日本では使用されており、日本では規制ではなく残留基準緩和へと逆行している。現行の日本のクロチアニジンの残留基準値ですら、EUと比べて高く、例えばキュウリはEU基準値の100倍、茶葉は71倍、トマトは60倍となっている。

規制緩和を進めている厚生労働省は、一度は市民の声を聞いて、規制緩和の再審議を決定したが、今現在行われているその審議の行方次第では、さらに世界とは真逆の方向に進みかねないようです。

白蟻の薬剤といえば、以前は有機リン系のクロルピリホスがよく用いられましたが。2003年建築基準法の改正により使用禁止になり現在のネオニコチノイド系が使われております。大丈夫と進められて来たものが幾度も使用禁止になった背景があります。クロルピリホスの前には、クロルデンという薬剤が使われていました。

自分自身の安全を守る為には自分自身で知識をつかないといけないという現実、家を創るものとしては少しでも安全なものを消費者の方に伝えていかなければなりません。



床下を安易に薬剤散布で白蟻の食害から守るのではなく、人体に安全な方法で床下環境を整えて白蟻が来ない環境をつくる「伝統防除技士」という資格があります。
http://kominka-yukashita.org/qualification/


ネオニコチノイド系農薬については国際環境NGOグリーンピース・ジャパン 成澤薫氏の記事を参考にしました。http://hbol.jp/17431