Q1 どんな構造なのかを確認

古民家とは建てられてから50年以上経過した木造住宅ですが、その骨組み=構造にはいくつかの種類があります。

戦後アメリカからやって来たツーバイフォー工法は木造住宅ですが、古民家には入らず、また壁を撤去したりする構造を変更することは非常に難しいものです。

骨組みに木を使ったものを木造軸組構造といい、昭和25年の建築基準法が制定されていこう建てられている木造住宅の多くは在来工法と呼ばれるもので、それ以前のものは伝統構法とよばれる構造になります。

在来工法はコンクリート製の基礎があるのが特徴で、地震の際に建物が変形しないように柱と柱の間に筋交いと呼ばれる斜めの木材が入れられており、間取りを変更する場合などもこの筋交いは撤去しないようにしなければなりません。

一方の伝統工法は筋交いは無く、代わりに貫と呼ばれる横の板が柱を貫通するように通されています。間取り変更などは比較的自由にできるのと、もともと壁が少ない構造なのでリフォームは簡単に行えますが、床下にシロアリの食害や腐っている部分などがないか事前に調査してから行うことが大切です。建物をリフォムする際には地域の古民家再生協会が相談に乗ってくれます。




Q2 古民家は寒いので暖かくリフォームしたいのですが…

古民家は夏を涼しくするために屋根が大きく、軒の出が深く、床下に風が通るようになった構造です。夏涼しいのはいいのですが冬寒いのは辛いですよね。古民家の長持ちする性能を維持しながら断熱材などを入れることで冬暖かい家にすることは可能です。古民家の場合真壁と呼ばれる柱が見える壁の構造ですが、この壁の内部か外部のどちらかを柱の外側に断熱材を入れて大壁に改修することが可能です。床も床下に断熱材を入れたり、畳を断熱材入りのものに交換するだけでもずいぶん暖かくなります。むろん天井や吹き抜けの場合には屋根の下地にも断熱材をいれます。熱の多くは壁よりも開口部のガラスなどから逃げていきますので木建具をアルミや樹脂サッシに交換したり、ガラスを二重にしたりすることでもずいぶん暖かくなります。ただなんでもかんでも断熱材で囲えばいいのかというと、今度は室内の湿度が高くなり結露などを起こして建物を傷める原因にもなるのでしっかりとしてた業者に依頼をしましょう。むろん古民家再生協会が相談に乗ってくれます。

Q3 増築は可能ですか?

法的に地域により建てられる建物の大きさが制限されていたりするのでまずは法的に増築が可能かどうかを調べましょう。そして可能であれば増築はむろん可能です。ただ、一番初めに書いたように古民家にも構造の種類が2つあります。在来工法と伝統構法です。在来工法の建物に在来工法で増築するのは同じ構法ですからさほど問題ありませんが、伝統構法に在来工法で増築すると異なる構法が混在することになります。これを混構造といいます。法的な規制から混構造での増築しか許可がおりないケースも多いのですが、その場合にも混構造にたいしての対策がしっかりと計画されているかを充分確認しましょう。同じように増築しなくても混構造である建物の在来部分などを解体する減築という方法があります。構造は異なること無く一つの構造のほうが地震や耐久性などには有利ということです。



Q4 確認申請がおりないので増築はできないといわれましたがそんなことはあるの?

床面積が増える増築工事や、リフォームでも大改修を行う場合には建築確認申請というものを役所に出して許可を得る必要が都市計画区域内の場所ではあります。申請しても許可がおりないケースとしては、例えば、建物の立っている場所の使用目的が住宅用(宅地)では無くて農地である場合。宅地に用途変更が可能な場合には用途変更をしてから建築確認申請をだせば大丈夫です。敷地が道路に接道していない場合(巾4mの道路に敷地が2m以上接していないといけません)
、現在の建物がケンペイ率や容積率が一杯かオーバーしている場合などがあります。