福井県福井市ある国の名勝にも指定されている養浩館(ようこうかん)は、旧福井藩主松平家の別邸で、江戸時代には「御泉水屋敷」と呼ばれていたそうです。



現在の規模の建物と回遊式林泉庭園が完成したのは1699年(元禄12年)で、「養浩館」の名前は明治になってから、同屋敷を所有していた元藩主の松平春嶽が名付けたもの。米国の日本庭園専門雑誌ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニングでは、2008年度ランキング以降第3位に選ばれています。



池の東岸に配された「御茶屋」と呼ばれる屋敷は、主座敷となる「御座ノ間」とその南東に設けられた「御月見ノ間」から構成され、その北には廊下でつながれた「御湯殿」、東には「御台所」が付属しています。「御茶屋」は数奇屋造建築で、柿葺(こけらぶき)寄棟のむくり屋根です。


櫛形ノ間
西の池に面して花頭くずしの連窓がみられ、これが櫛を連想させることからこの名があるといわれています。


御月見ノ間


御次ノ間 と 御座ノ間
屋敷の中心となる座敷で、池と向かい合うように西向きに配置されています。柱は杉丸太、天井はさわらの板張りで、典型的な数寄屋造構造の座敷です。


御湯殿…昔のサウナです…

庭園は、大きな池を中心とした回遊式林泉庭園(かいゆうしきりんせんていえん)で、屋敷内からの眺望が美しかったです。