輸入木材の中で、日本で最も流通しているものに米松(ベイマツ)と呼ばれるものがある。梁などの横架材に松の変わりに使われている木材ですが…



実は、松と付いているが実は松ではないのです。

その正体は、北米大陸でカナダのブリティッシュコロンビア州からカリフォルニア州にかけて分布しているダグラスファーと呼ばれている木です。

日本に生育している樹種として近いものはトガサワラとなります。

学名はPseudotsuga menziesiiで前者は「ヘムロックに似ている」という意味で、米栂(ベイツガ)と呼ばれるヘムロックとは木肌は明らかに違うが丸太では区別が付かない事から名付けられたようである。

ダグラスファーはクリスマスツリーとして有名な木でファーは日本語ではモミの木と訳されている。


こんな木です…


米松が初めて日本に入ったのは1854年のペリー提督が幕府に送ったのが最初とされ、1923年(大正12年)の関東大震災後に本格的に輸入が開始され、第二次世界大戦中は休止されたものの、戦後の復興期に戦中時に乱伐された国産材が成長するまでの代替材として輸入が再開され現在も続いています。

国産の松が無いので米松を使うのは仕方ないとしても、多くの工務店さんや設計士の方が松だと思っている所に問題はあるのではないかと思います。

間違えやすい名前の付け方もそうですが、しっかりと本当の情報をユーザーに伝えたいですね。