先週土曜日滋賀の立命館大学で開催された伝統的構法の設計法の報告会を聞きにいってきました。



これは、鈴木 祥之氏(立命館大学 立命館グローバル・イノベーション研究機構 教授)を委員長として、伝統構法の構造力学的に未解明な部分、特に仕口・継ぎ手接合部のメカニズムと性能、礎石建て(石場建て)の柱脚の移動、床などの水平構面の変形などについて実験的、解析的に明らかにするために平成20年度から伝統構法の設計法についての検討と実大振動台実験とともに、伝統構法に関する調査、伝統構法に用いられる材料に関する実験等の検討をされてきました。平成22年度からは、これまでの調査、実験などの検討結果を踏まえ、石場建て構法を含む伝統構法木造建築物の設計法について検討を行い、実務者が実践的に使える設計法の確立を目指されています。
当日一般設計法、詳細設計法、汎用設計法の3種類の設計法が発表されました。

まだまだ不明な点も多いので実務に使うには検討の余地もありますが、伝統構法の新築の可能性に一石を投じたのは間違い有りません。これをきっかけに伝統構法の住宅が増えて行く事に期待ですね。


伝統構法の設計法作成及び性能検証実験検討委員会
第4回フォーラムin滋賀
「石場建てを含む伝統的構法木造建築物の設計法」報告会

日時 7月12日 午後1時~5時
会場 立命館大学 びわこ・くさつキャンパス ローム記念館 4階大会議室
主催 特定非営利活動法人 緑の列島ネットワーク
   伝統構法の設計法作成及び性能検証実験検討委員会
後援 立命館大学歴史都市防災研究所、 これからの木造住宅を考える連絡会

フォーラム内容
検討委員会の取り組み 鈴木祥之(立命館大学衣笠総合研究機構 検討委員会委員長)
設計法案の概要 齋藤幸雄(設計部法会主査 齋藤建築構造研究室)
設計法の課題 向坊恭介(設計部法会 立命館大学理工学部)

休憩10分

詳細設計法 長瀬 正(設計部法会 日本建築総合試験所)
標準設計法 寺門宏之(設計部法会 京都市都市計画局建築指導部)

質疑応答

定員300名に対して、通路の階段にも人が座るほど会場は超満員でした。