古民家鑑定書の作成の意義は、

古民家を所有しているが、解体するか改装するか悩んでいる……

古民家を購入して住み替えを計画しているが、建物の耐久性や手直しをする部分がどこなのかを知りたい……

古民家を売却したいのだが、いくらで売却するのがいいのか相談したい……

などといった古民家を残そうと考えて頂けるユーザーに対して持ち主の立場ではなくあくまで第3者として公正な検査を行うハウスインスペクション(建物検査員)の伝統構法に特化した内容です。

古民家の鑑定をすることによって、消費者が不安に思う部分を明確になり今後のメンテナンスなどの計画を消費者に伝えて古民家を日本の住文化として継承して行くお手伝いになればと考えています。

また、古民家の価値を解りやすく表現する為に古民家の価値を金額でも表示しています。従来、建物販売をする際は固定資産税観点からの評価をおこないますが、一律の計算式に当てはめられるだけで、築年数が古くなり25年から30年で価値が0円となる固定資産税の評価では残念ながら古民家の価値は解らないと思います。そこで古民家鑑定では

・移築や再生をするに値するか

・再生して住むことができるのか

・その古民家の部材を再活用して新築住宅などに使用することが可能か

・あるいは再活用すべきではないか……

などの判別とともに、その建物を売却すると仮定した場合の古民家の文化的価値や建物の耐久性を元にした価格の目安を表示しています。ただこの価格は「宅地建物取引業法第34条の2第2項」及び、不動産の鑑定評価に関する法律に基づく不動産鑑定評価ではありません。あくまで、古民家のリユース促進のために定めた判断基準に沿って価値を表したものですから公的な証明にはなりませんので注意が必要です。

未来の子供たちのために、ひとつでも多くの文化的遺産である古民家の保全、及び耐久性の確保に貢献するための活動だと考えています。

私が設計している住宅は、洋風の住宅です。最新の設備を入れたりしますし、冬寒くないように断熱などにも気を配ります。そして冬あたたかなリビングルームの天井を見上げると、そこには古民家で使われていた太くて大きな梁がデザインではなくて構造材として活躍しています。無理せずに残していく、そういう考え方が大切だと思います。