建物が密集している都市では火災発生時の燐家への延焼が被害を大きくしますので、それを防ぐために建築基準法では防火指定地域を設け、万一火災が発生しても被害を最小限に食い止めるように措置を講じる必要があります。この防火に関する区分を書き出してみると、

防火地域

防火地域は建築基準法第61条で規定されていて、防火地域内の建物は原則として耐火建築物で有る事が求められます。階数が2以下であり、延べ面積100m2以下の建物は準耐火建築物とし、延べ面積50m2以下の平屋建付属建築物は木造でも可能です。法第62条は準防火地域での規定が示されており、2階建てまでの木造建築物は延べ床面積が500平米を超え1500平米以下は耐火建築物または、外壁及び軒裏で延焼の恐れのある部分を防火構造とし準耐火建築物にする必要が有ります。

法22条指定地域

防火・準防火地域以外の市街地で、特定行政庁が指定する区域(法22条指定地域)というのも定められており、法22条指定地域の建物の屋根は準不燃性能、外壁で延焼の恐れのある部分は準防火性能のある構造とする規制があります。

大規模木造建築物の防火

延べ面積が1,000m2を越える大規模木造建築物については、外壁や軒裏で延焼の恐れのある部分を防火構造とし、屋根を準不燃性能のある構造とする他、防火壁によって床面積1,000m2ごとに区画するなどの規制があります。

耐火構造(法第2条第7号、令107条)

通常の火災が終了するまでの間、当該火災による建築物の倒壊及び延焼を防止するために当該建築物部分に必要とされる性能を有する構造を言います。

準耐火構造(法第2条第7号、令107条の2)

通常の火災による延焼を抑制するために当該建築物の部分に必要とされる性能を持つ構造を言います。 要求される性能は下記のように定められています。

壁・間仕切り壁・外壁(共に耐力壁にかぎる)45分間(1時間)
柱 45分間(1時間)
床 45分間(1時間)
梁 45分間(1時間)
屋根(軒裏を除く)・階段 30分間

延焼のおそれのある部分とは建築基準法第2条第6号で以下のように定められています。

隣地境界線、道路中心線又は同一敷地内の2以上の建築物(延べ面積の合計が500m2以内の建築物は、1の建築物とみなす)相互の外壁間の中心線から、1階にあっては3m以下、2階以上にあっては5m以下の距離にある建築物の部分をいう。 ただし、防火上有効な公園、広場、川等の空地若しくは水面又は耐火構造の壁その他これらに類するものに面する部分を除く。

防火構造(法第2条第8号)

建築物の周囲で発生する通常の火災による延焼を抑制するため、当該外壁又は軒裏に必要とされる性能を有する構造をいいます。

準防火構造

建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼の抑制に一定の効果を発揮するために外壁に必要とされる性能を有する構造をいいます。