$「こだわり」の建築士日記 

今日は、住宅の外壁などに使う金属について書いていきます。

まず、金属を使う場所としては

屋根、
外壁、
屋根と外壁などの取り合い部分、
外壁と基礎との取り合い部分などの縁を切る部分
などでしょうか?



屋根葺材や外壁などの大きな面積を金属で仕上げる場合は
カラー鋼板、ガルバリウム鋼板などが一般的です。

あと窓はアルミサッシが一般的ですよね。ビルなどではスチールにペンキを塗った鉄製の非常ドアや窓などもありますし、店舗だとステンレスなども使われます。


住宅でもっとも一般的なのはカラー鋼板、
カラー鋼板は鋼板(板状に加工された鋼の事)に塗装を施したもので住宅ではメーカーで塗装をされたプレコート鋼板と呼ばれるものを一般的には使用します。これにも実は種類があって原板をメッキしたものとしていないものがあります。腐食で考えると塗装の前にメッキをしているものの方がむろん耐久性は高いがコストは上がるので腐食性を必要としない照明器具や文具、家電製品などにはメッキ無しのものが使われたりします。

メッキの種類は一般的に塗装溶融亜鉛めっき鋼板が一般的ですが最近は亜鉛にアルミニウム合金をプラスしたメッキ増えています。

表面の塗装はポリエステル樹脂系が多く、中には耐久性をます為にフッ素樹脂を使った商品や、塩化ビニール樹脂をラミネートした商品などもあります。

住宅では屋根、外壁、窓上の庇、シャッター、プレハブ倉庫やオフィスなどの間仕切りパーティションやサイディングなどの水切り役ものや古民家の藁葺き屋根をリフォームする場合などに使われます。

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鋼板自体は薄いものなので表面をリブ状に加工したものや平板でも一定間隔で折り曲げた形状で使用され、カラー鋼板自体では屋根用か壁用かの区別がつかないのでJISでは屋根用は「R」、建築外板用は「A」の記号を、鋼板の裏側に連続して印字するように規定されています。

劣化に関しては、
太陽光、
温度の変化、
風雨、
硫黄酸化物や窒素酸化物などの影響で

表面の光沢が無くなる、

色があせる、

表面を触るとチョークのような粉上の物資が出てくる白亜化減少、チョーキング

や塗膜のふくれ、

白錆や

赤錆などです。

メンテナンス方法としては定期的に汚れを落とす洗浄や、一定期間経過後は現場での再塗装になりますが、メーカーでの塗装とは違い耐久性は落ちるので定期的な塗装を考える必要があります。また、モルタルや防腐処理した木材、異種金属との接触は腐食の進行を早めるので注意が必要です。

よくカラー鋼板の事をトタンと混同される方もいますが、トタンとは亜鉛メッキされた鋼板の事でJISでは大波と小波の二つの波形の形状が示されています。

またブリキとは、亜鉛ではなくスズでメッキした鋼板の事になります。ブリキは缶詰など常に水分と接触する部材に使われており、古い古民家なども屋根と屋根の重なる部分の谷などにブリキの水切りが使われていたりします。