[砂漠化の話]

≪砂漠化とは≫
  1994年の「国連砂漠化対処条約」の第1条の定義では「乾
 燥,半乾燥,乾燥半湿潤地域における種々の要因(気候変動及び
 人間の活動を含む.)に起因する土地の荒廃」となっています.


  また,「国連砂漠化防止会議」における定義では「土地に備わ
 った生物の生産力の減退または破壊であり,最終的に砂漠のよう
 な状態をもたらす現象」と定義しています.


  つまり,乾燥して生物的な生産能力が下がって土地が荒れるこ
 とですね.また,人為的な原因と気候的な原因がありますが,最
 近では人為的原因が大きな問題となっています.


  さて,いきなり,「砂漠化」の定義を見てみましたが,今回は
 砂漠化問題について簡単にまとめたいと思います.


≪砂漠化の影響≫

  砂漠化は現在地球の陸地面積の4分の1である36億ヘクター
 ルと世界人口の6分の1である9億人がその影響を受けていて,
 特にアジア,アフリカが大きな影響を受けています.


  砂漠化は特にアジア,アフリカ,南アメリカ,オーストラリア
 で進んでいて,アジアでは特に中国,インドなどの西側で深刻で
 す.中国の砂漠化はよくニュースでも聞くと思います.ええ,黄
 砂と砂漠化の関係です.


  まだ明確なことは分かっていませんが,今年(2006年)春
 の黄砂大量飛来は温暖化の影響で高気圧が移動したことや中国の
 砂漠化が一因とも言われています.


≪砂漠化の原因≫

  このような砂漠化が起こる原因は先のように人為的,つまり人
 間の行動が原因となっていることが問題視されています.この人
 為的要因には,森林破壊と同様に過剰な家畜の放牧や薪炭材の過
 剰伐採の他,農地の不適切な使用などが含まれます.


  そして,やはりその背景には発展途上国の貧困と人口増加があ
 げられます.人口増加により食料が必要なのとより豊かな生活を
 求めて貧困から脱出するための開発です.


  しかし,その方法が適切でないと土地を荒廃させ,天然の資源
 を失いより貧困に陥っていくという悪循環をたどります.このよ
 うな悪循環をしないためにも国際間の協力は必要になるわけです.


≪砂漠化に関する国際間協力≫

  砂漠化の国際間の協力としては1968年から1973年代に
 かけてサヘルの干ばつにより数十万人の餓死者及び難民が発生し
 たことをキッカケに,1977年に「国連砂漠化防止会議」が開
 催されたことにはじまります.


  この会議は1977年8月29日から9月9日までナイロビで
 開催されました.ええ,ちょうど1977年の今日です.今日中
 に発行できれば,ですが.


  この会議ではさまざま検討などにより,砂漠化が人為的な原因
 によるものと再確認し,その防止には国際的な取り組みが必要と
 認め,26項目から成る行動計画を採択しました.


  これが「砂漠化防止行動計画」と言われるもので,一番最初に
 書いた「砂漠化」の定義を決め,砂漠化に関する教育,その他の
 協力に関することが原則として指摘されています.


  その後,1992年6月いわゆる地球サミットでアシェンダ21
 が満場一致で採択されました.砂漠化については第12章に書か
 れています.


  さらに,1994年6月17日,「砂漠化対処条約」がパリで
 採択され1996年に発効,日本は1998年に批准しました.
 この日を記念して国連会議では6月17日を「世界砂漠化・干ば
 つ対処の日」と決めています.2003年には「砂漠化に関する
 ハバナ宣言」がキューバで採択されました.


 ≪参考≫
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おすすめ度:

 EICネット   http://www.eic.or.jp/  環境白書   http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/ ---------------------------- 掲載情報 初出: 改訂:7:04 2007/04/24 ---------------------------- 更新履歴 7:04 2007/04/24