２０２１年のクリスマス
最近スランプ気味だと悩んでいる、
日本大学の学生さんと合流しました。
朝の千葉駅で待ち合わせをして
射撃場へ移動 
射手は悩みが尽きない
悩みながら時々道に迷い、
出口が見えないトンネルへ入ってしまう。
いつか見える光に期待を込めて、
前向きに試行錯誤を重ねる。
競技歴２１年の間に何度もトンネルをくぐり
射手の気持ちはよくわかります。
前向きな姿勢を貫くことは
決して簡単なことではありません 
苦しくても投げ出さす諦めず
学びの姿勢を持つ選手には
こちらから手を掴みたいと思うのです。
精神論も本人自らが課しているでしょう。
一から生まれ変わる気持ちで臨んだのは、
松田 健太郎くん（大１）
日本ではピストルコーチがとても少ないため
大学でもコーチが居ない状態で練習しています。
試合等でＮＴ選手に会う機会があると
学びのチャンスと願う選手が多くいます
この限られた時間でアドバイスを受けるため
荷物をドッサリと受け取る形かもしれませんが
やるべき動作を明確にしておくことで
目指す方向性に迷いが無くなります。
先のことを見据えてアドバイスしますが
一回キリではなく見続けるつもりです。
もしコーチが居たら、
このチャンスが無かったかもしれない
コーチが居ないのでＮＴ選手に教われる
それが嬉しいです
と前向きな発言が印象的でした 
削ったことがないＸＬサイズのグリップ
ガムテープで隙間を埋めていました。
Ｌサイズだとレストは合うけど細く、
ＸＬだとレストが合わない。
思いきって盛ることにしました。
中指と薬指に隙間を開けて握っていたので
パテを盛り付けて削る作業です。
グリップを削るのが怖い選手も多いため
ここは慎重に判断を促します。
何度も確認を取ってから
松田くんも自らの手で削り出しました 
明らかに手に合っていない無傷のグリップは
逆に調整してあげないと勿体ないのです。
忘れないうちに射撃ノートに書き込んで
改善した内容を忠実に取り組む姿は圧巻です。
今さっき教わったので動作はゆっくりです。
色んなポイントを頭で確認しながらなので
忠実に再現しようとしている証拠です。
私も自分で模索中の時は動作がスローでした。
射座では一連の動作を発表する場なので
いかに動作に集中するかが鍵となります。
スコアを狙うと重心が乱れやすいので、
乱れない心得も伝えてあります。
松田くんは繊細な質問が多く、
非常に分析力と能力が高い選手です。
射手自らの克服したい部分を
積極的に伝えてくれるのが嬉しいです。
照準位置を変えたいという思いを受け取り
彼の生まれ変わりの日に
これにも挑戦することになりました。
選手の持っている意欲を引き出して
チャレンジする背中を押す
そして、それをずっと応援する
これからも時間を見つけて
アドバイスを続けようと思います。
私の専門分野はスポーツピストルなので
将来的にはＳＰ選手にも関わっていきたいです。
先ずは自分の挑戦もしっかりと行い、
技に確実性をもたせていく訓練をします。
キャリアを積んで習得した経験や情報が
誰かの可能性に繋がるように
そんな気持ちで取り組みます 
今日も練習したという松田くん
あれだけ色んなことを一気に学んだのに、
彼の熱意がここまでまとめたようです。
変わると決めた覚悟は本物 
飛鳥交通株式会社
ライフル射撃 ピストル射手
小西 ゆかり