協力コ-チの北垣です。

これまで6回にわたり、私が54歳時の神戸マラソンに向けた練習についてお話してきました。

今回はそうした経験の中で50歳以上の市民ランナ-のマラソン練習について考えているところを述べます。

 

 まずこの年代になると毎年記録は伸びていかない。無理して頑張れば故障するだけ記録はもう伸びないから健康ジョグで十分。あるいはもう走るのを止めよう 等々 いろんな意見があると思いますが記録向上の観点で言えばネガティブなものが多いと思います。

私自身も実際もう今より速く走れることはないんではという思いがしばしば頭をよぎります。ではなぜ?体が老化する方向にいっているんだからあたりまえという簡単な言葉で納得していいものなのか。ここ数年自分の中で押し問答しているテ-マです。でも老化は明日になれば急に来るものでもなく1年を通じて急に来るとも思えず、タイムが急に落ちてくる原因は老化以外にあると疑い、それを突き詰めて改善していくことでタイムの低下を抑止する。あわよくば維持するための工夫があると考えています。

 

1.練習量について

 「走った距離は裏切らない」有名なオリンピック金メダリストの言葉です。一般論としては疑う余地はありません。但し私たちの世代にこれがあてはまるのか?年齢に抗いながら頑張っている方であればおわかりだと思います。オ-バ-ワ-クは故障する。疲れがいつまでも取れない。その日はがんばってやれたがあとが続かない。おおよそこのようなところではないでしょうか。もちろんマラソンを走るための基本練習ができている前提ではありますが無理をしたりがんばり度をあげたりして練習量を増やすことではないと思います。 自分の中では疲労をコントロ-ルするという表現ですが、鍛える⇒休む(超回復)⇒鍛える⇒休む(超回復)を週次、月次、メインレ-スまでの期間(約6ヶ月)体調と練習目的に合わせレ-スに向けてトップコンディションで臨む。これが肝だ思います。

 

2.基本に則った練習計画

 マラソン練習には基本というものがあります。私は現役(約30年前)のときからリディア-ド方式が練習のベ-スで有り、8年前市民ランナ-として走り始めましたが根底にあるのはこの考え方です。

 ①メインレ-スに向けて逆算して練習計画を組む

 ②有酸素走り込み⇒無酸素インタ-バル⇒コ-ディネ-ション⇒テ-パリング 各ステ-ジを期分けして段階的に進めていく月間走行距離には囚われないあくまでもレ-スに向けて各ステ-ジ毎にポイント練習として何を行うか、体調がコントロ-ルできているかを重視します

 ③走力に応じた距離、ペ-スを守って走る。マラソン練習であればレ-ススピ-ドよりも速く走ることはまずありません。常に体に余裕を残した練習を心がけ継続させることに重点を置きます

 私たち世代も基本に則った練習を行うことはとても重要です。

 

3.パフォ-マンス低下のカバ-について

 ①筋力低下について

  脚筋力についてはマラソン練習の中で自ずとついてくるもの。プラスアルファでオフロ-ドや起伏を走ってこれで十分だと思っていましたが、53歳になってから以前に比べ足に力が入らない。着地時路面とのコンタクトが弱くなっていることに気づきました。どうも走るだけでは筋力低下はカバ-仕切れないと感じています。この部分については今まで私自身手を着けていなかったところなのでリディア-ドが考案した

①スティ-プ・ヒルランニングhttps://www.youtube.com/watch?v=N6Tu-tfUtfI

②ヒルバウンディングhttps://www.youtube.com/watch?v=k2BIzZffPNw

③ヒルスプリンギングhttps://www.youtube.com/watch?v=S8fQFBmiwUA

辺りを導入して見ようかなと思います。但しランニングと並行して行う特殊トレ-ニングなので負荷がかかりすぎて故障しないようにすることが大切になります。皆さんも参考にしてください。
   ②体のメンテナンスについて
  私自身は体は強い方だと思います。中学、高校、大学、実業団3年のランナ-成長期に目一杯走りましたが、捻挫で1週間安静にしていたのが一度か二度あるほど故障して練習を休んだ記憶がありません。8年前に市民ランナ-として再開しましたが54歳で腸脛靱帯やアキレス腱、足底筋膜炎になりましたがランニングをストップするレベルではありません。そんなこともあり体のメンテナンスについては多分他の人よりおろそかにしてきていると思います。今年57歳になりますが以前に比べ練習後の足腰の張りなど感じるようになりましたので人並みのアフタ-ケアで疲労回復促進を図ります。これはあんまり皆さんの参考になりませんね。
 
4.最後に
 いろいろ思うがまま述べてきましたが自分自身どうなりたいのか参考となれば幸いですが
  元気に歳を重ねても走り続ける。体力相応の練習を継続していくなかでフルマラソンを走る。
  そのためには
   ①練習は基本に則って計画的に余裕を持った練習メニュ-で継続させていくことが大事
   ②日々正しい情報収集を心がけ自分の練習に落とし込み柔軟に物事を考えていく姿勢をとる
   ③自分の健康に気を配り日常生活のリズムを整えていく
   ④人と競うのではなく自分の目標に向かって慎重かつ大胆に走る
 
 今はまだコロナ禍でマラソン大会開催の目処が立ちません。
第10回神戸マラソンも来年に延期となりペ-スセッタ-としての務めができないことはとても残念です。でも近い将来に全国津々浦々マラソン大会が再開されることは信じて疑いません。その日を目指して私自身の取り組みを日々進めていこうと思います。