イタリアの古いアルトサックス、IDA Maria Grassi、、ある程度組みあがったので試奏してみましたところ、
やはり、、良い音、美しい音がするような気がする。先入観が多分に影響しているのはわかってるけれど、
なんだか名前の通り美しい音色だと思う。(^^)
あとは、バランス調整の仕上げだ♪
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過日のエリックミヤシロさんとの舞台はリハから含めとても含蓄なひと時でした。

レナードバーンスタイン先生をはっきりと知ったのは、実はだいぶ遅く、、、
確か18歳のときだ。ショスターコヴィッチの交響曲第5番「革命」のレコード。
レナード・バーンスタイン指揮、ニューヨークフィルのゴールデンコンビでした。
ロシアやあるいはヨーロッパのオケより、僕にとってはこのコンビのこの革命が一番ハートにズキュンときた。

さて、エリックさんの講話、
氏がバークリー在学当時、ボストンにてバーンスタインさん指揮によるオケトレがあったらしく、あいまに隙を見て
バーンスタインさんにいろんな質問をされたそうな。
そんな中で、例の”マリアfromウエストサイドストーリー”の旋律の話。
「マ リーアー」のフレーズ、階名でいうと「ド ファ#ーソー」について、当該作品の作曲家であられるバーンスタインさんの話、
その箇所のコード構成音でいうならばド(マリアのマ)はトニックであり、主人公の男性はトニーである。(トニックとトニーをかけたか?)
そして完全五度の完璧なハーモニーを生み出すソ(マリアのア)であり、トニーとマリアを完全五度の美しくもあり完璧なハーモニーに見立てた。
しかし、そのマリアのア(ソ)の直前の音ファ#は増4度(#11th、減5度、デイムニッシュ)であり、トライトーン(三全和音)音程となる。
ジャズ理論、クラシック和声学を勉強した人ならご存じだが、この世で最も不安定な響き(音程)のひとつである。
これもその時エリックさんから聞いた話だが、中世?(それ以前?)西洋ではこの三全和音(トライトーン)は不吉な音「悪魔の音」として音楽作品に使用を禁じたという。
つまり、トニーとマリアは惹かれあい愛し合うのだが、二人の間には結ばれない悲運が存在するということをバーンスタインさんは音楽で表現したらしい。
確かに、悲運を予感させるフレージングです。
ところが、バッキングハーモニーやオブリ、全体フレージングによりこの曲はやっぱりマリアの美しさを表現します。
映画の中ではトニーがこの歌「マリア」を歌いながらマリアのおうちを探しまわる、その後、奇跡的にもマリアと遭遇、
そして「トゥナイト」のデユエットとなる。。。こーやって文字にするだけでも私は感動で涙と鼻水が流れてきます(^^)

この話をリハーサル現場で聞いたとき、納得とともにまた新たな感動!!
もう、ほんとに目からウロコ状態でした(^^)

トライトーンは音楽の超基本和声進行ドミナントモーションを構成する重要な要素であり不可欠なものです。
逆にこれを素としたホールトーンスケールなどセロニアスモンク先生がフレーズに多用したり、
私も「困ったときのアレ」みたいな感じで邪道ですが多用することもあります(^^;)

先人たちから学ぶことは無限ですな(^^)
そう思って、ウエストサイドストーリーを見直すと様々な音楽的発見がある。
心の底から、大先生方に感謝いたします。
感謝!
敬礼!