
私の楽器遍歴は、クラシックギター→エレキベース→エレキギター→コントラバス→ファゴット→サックスという流れです。
高校生の頃、少しチューバを練習しましたが全然モノにならなかった(これが唯一の金管経験)
また上京後の営業バンドではサックスと持ち替えにてクラリネットとフルートを吹きましたがこれもインプロヴァイズできる程までは至ってません。
加えて上京後アレンジや譜面起こしの作業もさせてもらったので弾けないけどピアノ(鍵盤)を作業の道具として触りました。
この経緯において音楽理論の勉強にすこぶる役立ったのは4弦ベースと鍵盤です。
一番沢山の時間を費やしているサックスもそうではありましたが、音楽のメカニズムを学ぶ面においては4弦ベースと鍵盤が一番役立ったと感じています。
触りは高校2年の頃、渡辺貞夫先生の元祖「JAZZ STUDY」を当時の私にとっては大金をはたいて購入。
第1章は五度圏~ドミナントモーションから入っていきますが、その際、自宅に何故か置いてあった電気オルガンで取り組みました。
鍵盤楽器は管楽器と違い、目で音出しツールである鍵盤を追えます。もちろん、調性変われば場所も変わりますが鍵盤は個々の寸法が統一されていて音の動きをビジュアルに捉えられメカニカルに理解するのに便利でした。
ダイアトニックコードを五度圏に沿って弾いたとき(ピアノは弾けないが鍵盤は押せるといったレベル)、
「あー、なんだか美しい。ワルツフォーデビーみたいだ・・・」
と感じました。
その後、アレンジ作業や譜面起こし、あるいはヴォーカルの方のキー調整作業時にコード程度は鳴らせるようになりましたが和声進行をメカニカルに理解するのにとても有効でした。
そしてもうひとつ「4弦ベース」。
これは中学1年の頃から弾き始めましたが、クラシックギター時代にロックンロール「チェリーボーイズ」のレコードを聴きながら低音弦でベースラインを何となく耳コピしていました。
中学の頃、何もわからず楽器店で購入したベースの教則本「BLUES PROGRESSION FOR BASS」を用いてベースの練習を始めましたが、何も知らずにその本を購入した私は何も理解せぬままそれに沿って弾き始めたところ、
ブルース進行というものに出っくわし、それが先のロックンロールのベースラインとクリソツだということに気付きました。
この時はじめて音符と同時にコードネームを目にしました。
そして偶然にもブルース進行中の4度進行、5度進行というものを体感。
さらにはベースもフレットを目視できますので鍵盤と似た様な感じで音楽の動きをビジュアルにメカニカルに捉えることができたのです。
しかもベースは5度の差でチューニングするので更に解り易かった。
これらのお陰様で、割と早い時期に何となく和声進行の理論の世界に足を踏み入れる事ができたのです。
偶然とはいえ、ベースに関しては最初は不本意ではありましたが、鍵盤と4弦ベースに触れることができたきっかけにとても感謝しています。
上京後、加藤師匠の名言、
「サイトーちゃん、あのなーこの世の音楽はよー、4度進行とツーファイブと転調で成り立ってんだよ。」
無論、それに様々な理論が派生するわけですが基本はそーゆーことなんですね。(^^)
当時は師匠がおっしゃってることが解りませんでしたが、今、やっとこさちょっと理解できてきたような気がします。
そんなわけで、4弦と鍵盤には感謝しています。