ノックダウン生産の様な状態でやってきた廉価版アルトサックス「プレモナード」。
現代の楽器と比較しますとキーが幾つかありません。
・High F#(まー、これはヴィンテージにはよくあること)
・High F
・Cサイドトリル
・B♭サイドトリル
・Low C#
・フロントF
・フロントB♭
組んですぐ最初は、「なんじゃ?!この楽器は?!」という感じでしたし、今もそう思う部分もありますが。

この楽器はなんだか忘れましたがとにかく「はじめの一歩~超入門用アルトサックス」だったことには間違いない。
以前、記事しましたが30年くらい昔、新聞の広告か、雑誌の広告欄の隅っこに掲載されていたのを覚えています。
楽器と教本とお手入れセットみたいなのを一式で3万円くらいだったか??
とりあえず楽器を手に取り、どんな内容か知りませんがその教本通りに作業を進めていけば数曲くらいは何とか吹ける様になるといった程度のセットだったんではなかろうか?
などと考えていますと、
ホントのホントの本当の超初心者さんには逆に良い楽器ではなかったんではなかろうかと、段々と思い始めました。
木管楽器群は、キーの数が多いので初心者にとっては憧れはあってもその楽器の様を観ただけで敬遠してしまうかもしれません。
実際、私がそうでした。サックスに憧れを抱いたのが小学校4年頃、その後バンドマンとして中学の頃から楽器店のスタジオに通う中、ショーウインドウのサックスを見ますと複雑で、、
熊本弁で表現しますと「脳うっだす」状態。(頭が混乱して爆発するという意味)
「こんな楽器どうやって使うんだろう??」

そう考えると、この楽器は入門者にとってはある意味ハードルを低くする企みがあったのではないかと考えます。
(無論、コストダウンもありましょう。)
・初心者はHigh-F#どころか、High-Fも最初はなかなかきちんと発音できない、出たとしても音程も当たりにくい
・サイドキーを使ったトリルなんて、吹奏楽やクラシック音楽やらない限りはそうそうトリルなんぞやらない
・Low-C#がないのはシニアにとっては痛いが、そもそも左手テーブルキーの低音域は初心者にとっては結構難関
 (おそらく付属の教本掲載の楽曲にはLow C#を使う曲を載せてなかったんだろう)
・フロントBisキーがなくとも左B+右F#でB♭は出せる
とにかく、超初心者~入門者にサックスという楽器の魅力を手っ取り早く印象付けするための楽器であったと考えるとある意味その教育的配慮に脱帽だ。

ただ、、、やはりフロントBisキーとLow-C#キーが無いのはツライ (^^;)
(高音域はフラジオでどうにでもできるからね(^^) )
さすがにLow-C#は諦めましたが、
フロントBisは改造しました(^^)
市販の交換用指貝を入手、
先回リペアでむしりとった古い楽器のタンポに付いていたメタルブースターを削って加工、
それらを張り合わせたものをフロントB♭キーに半田付け、
手順を誤り当該指貝の色目が熱で変色してしまったがフロントBisキーができました(^^)
(入手したアワビ調指貝は天然素材ではなかったので熱で変色(^^;))
これにより、かなりこの楽器の運指パフォーマンスが向上したと自負。
Low-C#が無いのは痛いが、まーセッション等で自由にインプロヴァイスする分には十分な楽器に変身しました。
(吹奏楽やクラシックでもLow C#箇所はしれっと吹かずに誤魔化せばイケる)

この楽器、予想に反してかなりファンキーでソウルな音が出ます。
それなりにポテンシャルをもつ楽器だと感じています(^^)