画像は現在調整中のPARROT6435という中国製の古い楽器。
全音域鳴る様になったもののフルトーン~サブトーンでゴリゴリ吹いていみると、まだまだ調整必要な箇所がたくさん出てきます。
工業製品、とくに機械(メカ構造をもつ)製品は常に動かしてあげることが肝要です。
本サックス、、、殆どの機構は動くようになったが、裏側(腹側)のキーガードのネジが固着(サビ)してしまいネジ山をすっかりナメてしまった。潤滑剤やネジ緩め剤でもダメ。
幸い、作業には大きな影響なくこのままにしておくつもりですが、もしこれと同じような症状が別の箇所や運指機構部に多々あったら、、、この楽器の運命は本当に終わっていたかもしれません。
オートバイや車、電気製品等も同様ですが普段から”動かして”確認しておかないと気づいたときにとんでもないことになります。
今年は電力需要逼迫の関係でエアコンの早期動作チェックを促されてますね(^^;)
車なんかも、、、動かさずに大切にガレージに保管していたら、エンジン始動しなかったり、ブレーキ周りがサビで固着していたり、動いたはいいけどすぐ警告表示したりなどといった事があります。
メカニカル構造をもつモノは、やっぱり動かしてあげるのが先ず何よりです。
人間の体もそうですね。じーっとしているとやっぱり色んな機能が不全となったりします。動かしたくても動かせない場合もありますが、動かせる場合はやっぱり動かす方が良い。
サックスは管楽器の中では最もデリケートな楽器になりましょう。
オーボエやフルート等のほうがデリケートに感じるかも知れませんが、、、、なんせサックスは、メカ的に動作する部分~部品点数が多く、大型のキー部品もあるので変形しやすい。
タンポも他の木管楽器と比べるとサイズが大きいものがあるので湿気、水分の影響を受けやすい。
なので使いっぱなし~放置は楽器をダメにしてしまう確率が高まる。
本当は、毎日吹くのが一番良い。けれど、大人になると学生時代のように頻繁に吹けない。
もし、吹けない場合は、あるいは環境により音が出せない場合は、
楽器ケースから取り出して、触るだけでも良いと思う。
組み立てて、両手で持ってカシャカシャとキーを動かしまくる。
油分の固着、メカの固着、タンポの変形等を防げる度合いが高まります。
それにサックスを吹く人なら音を出さなくても、キーカシャカシャで
「ん??何か変」
と不具合にも気付けるはず。原因がわからなくても、気づければ自分でメンテナンスするなり我々専門家に相談するなりのアクションが取れる。

最悪なのは、これらに気付けないまま次の音出しの現場を迎えることだ。
それがリハーサルでなくステージだったりしたら、最悪の中の最悪、極悪に陥る。。。

モノにも命が宿るといいますが、、、私は、、、それはないと思ったり、あるかな?とも思ったりしますが、
しかし、例えば分子の配列とか素粒子レベルでは、何だか変化があるのではないかと考えたりします。
なるべく動かしてあげたほうが、できればちゃんと発音してあげたほうが楽器も喜び、楽器の調子も良い状態が維持できると思います。