ゾウムシは無論昆虫だ。
ゴミムシやキマワリなどとクリソツだが、違う分類。

ゾウムシは、頭の先っちょが象の鼻みたいに伸びてる奴が多いことからゾウムシと名付けられた。
ゴミムシやキマワリらが、甲虫類にしては動き(歩き方)が速いのに対し、ゾウムシはちょっとおっとり型でその歩く姿は可愛らしい。

といっても、そんなにお目にかかれる昆虫ではない。

さて、このクロカタゾウムシという奴の体が針を通さない程の硬い鎧をまとっているのを皆さんご存じだろうか?
「知るわけねえだろ」
という声が聞こえてくる。
私も知らなかった。
でも、ほんとに硬いらしい。

体内に共生するナルドネラという細菌が外骨格にそんな硬い材料を造っているんだそうな。

このナルドネラという菌は、宿主のゾウムシに硬い鎧を献上する一方で、ゾウムシから栄養源を頂戴しているらしい。
ナルドネラ菌はチロシンというアミノ酸を大量に生産するらしい。
このチロシンは外骨格の素材を強く結合する働きがあり、このゾウムシの体を鋼のように仕上げてくれるわけだ。
そのおかげで、この昆虫の生存率は高いらしい。鳥や獣が食べきらないのだ。


甲虫類は天敵や乾燥から身を守るため体の表面が外骨格という鎧で覆われている。逆に内部に骨がない。哺乳類とは逆だね。

ナルドネラ菌は、メスの体内で卵に感染することで次世代に引き継がれていくんだとか。

共生の引継ぎというか共生の遺伝ちうか、

ロマンがあるねえ。

私達人間の体内にも沢山の外部からの共生菌が存在してるが、持ちつ持たれつという美しい文化を、このクロカタゾウムシの鎧から、改めて認識させられました。

本当にこの地球は奇跡の星である