大好きだった競艇選手の長岡茂一(58)が引退しました。
2000年以降の多摩川最強は濱野谷憲吾ですが、
2000年以前の多摩川最強と言えばこの長岡茂一。
長岡にとって多摩川競艇は正真正銘の「純地元」ですから、
特に多摩川での鬼気迫る走りは、それはすごいものがありました!
筆者が多摩川競艇担当だった1990年代、
長岡が脅威の"5人抜き"を演じ、雑感記事にしたことがあります。
一般戦でしたが、
1マーク、はるか後方の6番手から怒涛の追い上げを開始。
ターンマークごとに1艇ずつ抜き去り、
最終2マーク、ついに執念で先頭艇まで捉え、
脅威の"5人抜き"で勝利を手繰り寄せたレースでした。
一般戦とはいえ、
先行艇の引き波を超えなければならない競艇で5人抜きは至難の業。
それを勝利への執念、
自身の舟券を買ってくれているファンへの責任感から、
気迫で白星を奪取するのですから、
見ていて気持いいったらありゃしません(笑)
選手の強さの物差しを「全盛時」で計れば、
長岡茂一は間違いなく競艇界でも屈指の実力者でした。
長岡と言えば、
最後まであきらめない執念と勝負度胸、速攻力、弾丸まくり……
同じ東京支部の盟友だった熊谷直樹(引退)もよく似たタイプで、
熊谷がモンスター野中和夫のイン戦を、
2コースからジカまくりで沈めに行くレースは今も語り草です。
長岡も熊谷同様、気迫を前面に出すタイプでしたが、
最後まであきらめない執念は、
歴代の競艇界でも屈指と言っていいのではないでしょうか。
常にファン(の舟券)を意識した真のプロフェッショナル。
たとえ負けてもファンを納得させる長岡のレースぶりこそ、
長いことファンに愛さ、支持され続けた要因です。
最も大事なファンの存在を第一に考え、
ひた向きに、誠実に、目の前の一戦一戦を走り抜く。
長岡のような"真のプロフェッショナル"はそうそう出てこないと思います。
養成所時代を含め、度重なる大ケガにめげることなく、
持ち前の度胸、気迫、責任感で、
"ファン第一"を貫いた彼の走り、生き様に感謝です。