さて、前回の記事では、
「頑張っても満たされない理由は“順番”だった。〜シャンパンタワーの法則〜」を書きました。

その中でも触れましたが、25年間、人事として多くの社員と向き合ってきた中で、もう一つ見えてきたことがあります。
今回はそこについて、さらに踏み込んで書いていきます。


それは、
キャリア形成と「自分軸」は、実はとても深くつながっているということです。

これをとても伝えたくて、この記事を書きます。

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仕事の世界では、どうしても
「成果を出す」「評価される」「昇格する」といった「結果」が強く意識されます。

つまり、行動すること・実行すること・成果を出すこと。
いわば “外に向かう力” が重視されやすい世界 です。

外に向かう力を意識するということは、外の世界、つまり【外の基準】を意識するということになります。
そして知らないうちに、外の基準だけに集中し、それを目標にして走るようになっていく。


けれども本来、人が力を発揮するためには、もう一つ大切なプロセスがあります。

それは、
「自分はどうしたいのか」「何を大切にしたいのか」という、内側に向かう問いです。

この問いに向き合うことが、自分軸で成果を出すためにとても大切なプロセスなんです。

日頃から自分の内面と向き合い、価値観や気持ち、自分の感情と向き合うこと。
シャンパンタワーの一番上、【価値観・エネルギー】が整ってはじめて、人は自分らしい行動を選べるようになります。


組織の中で働く社員を見ていて、辛いことや苦しいこと、メンタル疾患になる方ともたくさん向き合ってきましたが、
私には、単に「頑張る」ことが本質ではないのだと見えています。

むしろ、自分の価値観を言葉にし、自分の意思で選び、自分のエネルギーで動く。
そんな状態を取り戻していくことこそが、本当の意味でのキャリアの自立なのではないかと感じています。

今回のメンタリング施策の対話の中で、多くのメンティーが気づいていたのも、まさにその感覚でした。

「本当はどうしたいのか」「何を大切にしたいのか」
その問いに向き合うことで、少しずつ 他人軸から自分軸へと戻っていく。
それはつまり、消耗しない働き方であるということなんですね。

私たちはいつからか、組織の正解を目指し、そこに固執し、気をとらわれすぎて、
自分軸を見失い、消耗した働き方を強いられてしまいます。

その変化はとても静かなものですが、確実にその人のキャリアの選択一つひとつを変えていきます。


だからこそ私は、メンタリングという対話の時間には大きな意味があると感じています。
自分の内側にある声に気づき、そこからキャリアを捉え直していく。

このプロセスこそが、自分と繋がった自分軸キャリアを形成していくのだと思います。


キャリアというと、「成果・評価・昇格」といった結果の話になりがちです。
けれども今回のメンタリング施策を通して、改めて感じたことがあります。

キャリアは、外側からつくられるものではなく、内側から整ってこそ広がっていくもの。

自分はどうしたいのか。何を大切にしたいのか。どんな働き方が心地よいのか。
その問いに向き合うことは、ときに遠回りに見えるかもしれません。

けれども実際には、そのプロセスこそがキャリアの土台になります。

シャンパンタワーの一番上が満たされると、エネルギーは自然と下へ流れていきます。
キャリアも同じで、自分の価値観やエネルギーが整うと、その力は仕事や周囲に広がっていきます。

そして気がつくと、評価や信頼も自然とその先についてくる。
今回の対話の中で、多くの人がその感覚に触れていました。


だからこそ私は、これからも問い続けたいと思います。

「あなたは、本当はどうしたいですか?」

この問いから始まる対話が、その人のキャリアを少しずつ動かしていくのだと、私は信じています。