泪 利休作

利休が秀吉に切腹を命じられた際、最後に削った茶杓二つのうちの一つ、泪(なみだ)で、古田織部が形見として受け取ったものです。

もう一つは、細川三斎に渡された「ゆがみ(命)」で、少し前に永青文庫の特別展で目にすることができました。大名の細川三斎は、秀吉に疑われぬよう普通の日用品のように置いていたということです。当時の時代を考えれば致し方ないことでしょう。


一方、古田織部は泪の茶杓の筒に窓を開けて茶杓を見えるように納め、位牌代わりに拝んだということです。通常は非公開ですが、新暦2月の利休忌に合わせて10日程展示公開されると聞き及んでやって来ました。





 



 

筒は黒一色で見えにくいですが、白い支えのある反対側に、窓が開けられている凹みが見えると思います。

本当に位牌のようです。


 


人垣ができていると思いきや…何人か集まることはありましたが、行き交う人はまばらで、この茶杓に関わった人やその繋がりに思いを寄せることができました。


「泪」 という銘は、古田織部が名付けて筒に記したことに由来するそうです。

伝来 千利休→古田織部→徳川家康→尾張徳川家初代義直→徳川美術館所蔵

 「ゆがみ(命)」と同じく、想像していたより慎ましい印象を受けました(ゆがみは本当に右に歪んでいました)。


名残惜しかったけれども、他にも茶道具が贅沢に展示されていたのが気になり、その場を離れました。


続く