島田カオルx井上由紀
2018年秋のコラボ企画で
今月発売予定の電子書籍。

 


その製作裏話第4弾、
今日は「人間の視点」についてです。


今回のプロジェクトは

物語と絵:島田カオル
電子書籍化:井上由紀

という役割分担。

要するにカオルさんが
元になるお話と絵を作り、
わたしがそれらを
電子書籍のフォーマットに直すわけです。

この電子書籍のフォーマットなのですが
紙の本とはずいぶん勝手が違います。
何が一番違うかというと
「読者によって見え方が違う」という点。

例えばあなたがコンビニで
少年ジャンプを買うとしましょう。

どのコンビニで買っても
漫画は同じように印刷されていますよね。

あなたが買うジャンプと
お友達が買うジャンプは
本の形、厚さから
レイアウトも全く同じはずです。

ところが、電子書籍というのは
スマホで読む人もいれば
タブレットやPCで読むひともいます。

PCの画面は12インチかもしれないし
15インチかもしれません。

全画面かもしれないし、
マルチ画面かもしれません。

そのマルチ画面だって
どういう具合に引き伸ばされるか
ケースバイケースですよね。

ほかにもそのデバイスが
Windows かアップルか、
はたまたKindle専用デバイスかで
見え方はさらに違ったりします。

つまり。

電子書籍の「見え方」には
無限大のバラエティーがあるのです。

デジタルコンテンツの
強みでもあり、弱点ともなるのが
この「柔軟さ」。

紙の本なら、サンプルを
自分が納得いくまで作りこんで、
それを増刷すればいいだけです。

「この形で見てね!」
というストレートなやり方です。

ところがデジタル、電子書籍では
これが難しい。

いくら「自分の手持ちのデバイスで」
最高に見えるように仕上げても、
実際の作品は読者さんによって
それぞれ違った形で受け取られるのです。

細かい話をすると、電子書籍には
固定型とリフロー型という二つのタイプがあって、
固定型にすれば「写真に取ったように」
どのデバイスでもレイアウトは同じになります。

ただ、レイアウトは崩れませんが
スマホだと小さくて読みづらいとか
逆にPCだと巨大で恐ろしいとか(笑)
いろいろ不都合もあるのです。

結局「たぶん一番読まれるだろう状況」を
推測して、それに合わせるという
妥協案を採ることになるわけです。

ということで、わたしたちも
いろいろテストしたりして
苦労の末に最終レイアウトに落ち着きました。

あとは、手にとってくださるあなたが
わたしたちが想定したような状況で
読んでくださることを祈るばかりです・・・


さて、このお話なんですが
考えてみれば人の認知というのは
まさにこの電子書籍のようだと思います。

あなたは、あなたバージョンのレイアウトで
人に何かを伝えているつもりです。

15インチの最新マックで
かっこよく仕上げた!としましょう。

ところが、受け取る人が
古いWindows XPだったら
もしかしたらレイアウトは
変な具合に崩れるかもしれません。

下手をすると、一部もしくは全部の
コンテンツが開けない!
ということもあります。

すると、何が起こるかというと
相手の人は

「なんだ、この低質なコンテンツ(情報物)は!」

と怒り出したりするわけです。

あなたが素晴らしいアイデアを持っていても
相手のデバイスが対応していなければ
上手く伝わらなくなります。

その上に、それはデバイスのせいではなく
「こんなものを作った製作者」つまり
「あなたのせい」になりかねません。
その読者さんにとっては。

そして、実はわたしたちの日常では
そんな「やりとり」が起こっていることが
よくあるのではないでしょうか。

マーケティングの世界では
こうした「相手の視線」に
どれだけ立てるかが重要視されます。

そして、それはマーケティングだけでなく
わたしたちの日常の至るところで
活用できるスキルでもあると思います。


まだ最後の詰めの作業がありますが
もう少しで完成!のはず。

実はマラソンと一緒で
このラストスパートが
結構きつかったりするのですが・・・

次回はその辺を書いてみようかと
思います。
楽しみにしていてくださいね。

 

 

 


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