わたしは20年前、カナダに来ました。

当時26歳。

 

カナダに来る前と来た後で

変わったことはたくさんあるのですが、

何が一番変わったかというと

 

「よく喋るようになった」

 

ということじゃないかと思います。

厚かましくなった、とも言います(笑)

 

実は日本にいた時は

わたしは「物静かな女」でした。

 

無駄口は叩かず

やるべきことはササッとやる。

口数は少ないけれど

ステージではパフォーマー(バンドしてました)。

 

無言実行。孤高の人。ミステリアス。

そういうタイプだったんです。

 

(写真はイメージです)

 

それが、今「別人?」というくらい

ベラベラベラベラ喋ります。

ブログでもベラベラベラベラ喋ってます。

 

「おばちゃん化しただけとちゃう?」

 

とも考えられますが

 

カナダに来たこと、つまり

英語で生活しなければならなくなったことが

それ以上に大きな理由ではないか。

わたしはそう思うのです。

 

考えてみてください。

あなたが文化も言葉も違う国で

これから生活するとします。

 

生きていくためには

アパートの契約から銀行口座の開設、

電話やネット回線の手配、買い物など

たくさんのことをする必要があります。

 

しかし、言葉は不自由なのです。

銀行口座の解説の仕方が書かれた

オフィシャルサイトを開いてみても

イマイチ意味が分からないのです。

 

ではどうするか。

 

わたしが最初にやったことは、

「知っていそうな人に聞く」でした。

 

学校の先生や友達に

「どこの銀行使ってる?」と聞く。

 

そして、いざ銀行に行ったらまた

職員さんに聞く。

 

銀行と言えば、カナダで驚いたのは

銀行員さんが平気で

「お金の数え間違いをする」こと。

 

日本だったらそんなことしたら

もう信用がた落ちですよね?

あってはいけないことですよね?

 

上司が飛んできて

「申し訳ございません、申し訳ございません」

間違えた女性新入社員も涙目で

「申し訳ございません、申し訳ございません」

 

わたしが記憶する日本の風景は

そんな感じだったかと思います。

 

それがカナダ人ときたら、

わたしの目の前で100ドルだったかを

平気で数え落としたのです。

 

「あれ?もう一回数えて?」

 

とわたしが言わなかったら、

本来受け取るはずの額より

100ドル少ない額しかもらえなかったはず。

 

そして、さらに驚いたのは

そのミスに対して

 

「あら」

 

以上。という対応。

 

「申し訳ありません!!!!!」

の「も」の字すら感じませんでした。

 

そう、カナダに来てわたしが学んだこと

それは

「他人を信用しない」

ということだったのです。

 

正確には、人格は信用しても

「言う事を過信しない」ということです。

 

みなさん、普通にいい人たちです。

カナダ人の名誉のために

一応言っておきます。

ただ大らかっていうか大雑把っちゅうか。

 

で、わたしは外国人ですので

政府の機関である移民局とも

いろいろとやりとりをします。

これがまた、スゴイ。

 

電話である職員さんと話すと

「Aの書類を読んで」と言われます。

 

で、Aの書類を読んで疑問があるので

また電話すると、今度は別の人が

「Aじゃなくて、Bの書類を読んで」

 

で、Bの書類を読んでもラチがあかず

また電話すると

「書類はいいからここに電話して」

 

で、そこに電話すると

「まず○○をやってから、

××な場合はBの書類を出してね」

などと言われます。

 

つまり、人それぞれ言うことが違う。

あまりに違う。

政府の職員なのに。

 

しかし、人には順応性というものがあります。

そんな「あり得ない!?」な経験を重ねるうち

わたしの情報収集のスキルは

猛烈な勢いで上達していきました。

 

そのスキルというのが

 

「たくさんの人にとにかく聞くこと」

 

だったのです。

 

かつての「孤高の人」は

サバイバルの嵐に揉まれて、いつしか

「誰とでも気軽に喋るおばちゃん」へと

進化を遂げていったのでした。

 

ここでもう一度指摘しますが、

ポイントは

「わたしの英語が不十分であること」

 

これはどういうことかというと、

自分が「言語」として直接得ている

ある情報に、

今ひとつ確信がない状態なのです。

 

確信がないので

いわゆる「サポート情報」が欲しい。

「ウラを取りたい」わけですね。

 

なので、手がかりを求めて

多くの人に聞いて回ることになります。

 

逆にわたしが

英語のウェブサイトを見たり

パンフレットを読んだだけで

 

「あ、そういうことね。分かったわ」

 

と思ったなら、そんな行動に

出ることも無かったでしょう。

 

また、カナダ人の感覚が

日本人的に「きっちり」していたら

 

どいつもこいつも信用できないので

2人3人と話を聴いて回る、

なんてことも無かったと思います。

 

しかし、この

「あ、そういうことね。分かったわ」

 

一見スマートでカッコいいですけど

もしその「そういうことね」が

「正しくない理解」だった場合、

どうなるでしょうか。

 

おそらくは、その後で

思わぬトラブルが起こったりして

余計な時間やお金が掛かったり

ストレスを背負い込むことになりますね。

 

それで思ったことがあるのです。

 

学生時代、頭や顔がよかったり

スポーツが出来たりで、

無口だけどモテた男の子って

いませんでしたか。

 

ところが、ですね。

そんな「クールでカッコいい彼」が

社会人になったら全然モテなくなる現象

が起きています。

 

これってどういうことでしょうか?

 

子供の頃というのは

「ローン」「親の面倒」「育児」

などという概念なしで生きています。

 

自分の社会的責任とか経済力とか

誰かと家庭を持つことの意味とか

特に考えたりしないわけです。

 

そうすると、異性を見たときに

まず「見た目」でいいなーと思ったりします。

 

プラス、成績とかスポーツができるとか

子供にとっての「世界」の中で

ピカピカに輝いている子が魅力なのです。

 

ところが大人になると

人生というのはもっと複雑なものだと

理解するようになります。

 

イケメンでも頭がよくても

スポーツができても

 

「何を考えているのか分からない」

「こちらを理解してくれない」

 

という人は、最終的に

一緒にいたいとは

あまり思わなくなります。

 

つまり男女間においても、

子供の頃よりもっと深い

内面のケアが重視されるということです。

 

あなたのことをチラッと見ただけで

「あ、そういう人ね、分かったよ」

とクールに決めてるイケメンと

 

あなたにいろいろと関心を持って

質問をしてきたり気遣ったりして

たくさんの会話を重ねる非イケメンでは

 

後者の非イケメンと

末永くお付き合いしたい、

ということになるのです。

(なりませんか?)

 

そして、これは男女の間だけでなく

全ての人間関係において

当てはまることではないかと思います。

 

見た目は悪いよりいい方が

いいかもしれません。

 

しかし、長期的なことを考えた場合

コミュニケーションスキルが高い方が

情報収集と解析もしやすくなり

人にも好かれるのです。

 

おばちゃん化と言われてもいい。

 

わたしは今、本当に

サバイバルから身に着けた

「おしゃべりのスキル」に感謝しています。

 

もともとが内向的で

人と話すのが苦手なわたしは

本音を言えば未だに、女性が集まって

ワイワイやる場は居心地の悪いものです。

 

しかし、それは

ワイワイが自然とできる女性たちを

見下しているということでは

決してありません。

 

っていうか、むしろ尊敬。

おばちゃん、スゴイです!

 

 

狩猟時代、男性が狩りに行く間

皆で留守を守っていた女性は

コミュニティーからはみ出ては

生きていけない状況でした。

 

そこで常に周囲に調和できるように

おしゃべりという

情報交換システムが発達した

と言われています。

 

問題提起と具体的解決が得意な

男性に比べ、

女性が特にはっきりとした目的なく

おしゃべりをするのが好きなのは

 

そうした原始的な習性の

名残りと考えられます。

 

一見「無駄」に見えるおしゃべりですが

  • 相手の状況を伺える
  • 副次的情報をキャッチできる
  • 相手との親近感を高められる

といったメリットが高い行為です。

 

男性でも、できるビジネスマンは

「食事でも」などといって

肩の力を抜いた会話の場を設けます。

 

それは、こうした「おしゃべりの威力」を

きちんと認識しているからです。

 

わたしの体験を通して言います。

人見知りでお喋りが苦手な人でも

必要に駆られれば確実に

コミュニケーションスキルは上がります。

 

意図的にトレーニングすれば

必ず上達するスキルです。

 

ビジネスは、人がいてこそ。

周りの人の話を聞き、

何気ない会話から情報を引き出す

「おしゃべり力」を育ててはいかがでしょうか。

 

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