「ちょっと井上さん、

それはあなたが海外に住んでて

英語ペラペラだからでしょ?」

 

いえいえ、そうではありません。

今日は TOEICなんて楽勝! とか

そういう話では全くないので

期待しないでください。

 

そうではなくて、コピーライティングの話。

 

 

実はこちらでエラそうに、

初心者ブロガーさんたちに

コピーライティングの指導をしています。

 

で、改めて思うのが

 

文章長いわ

 

ひとつには、書き手の意識が

「コピーライター」 ではなく

「ジャーナリスト」 なのがあります。

 

コピーライティングっていうのは

自己表現じゃなくて

読み手に ポイントを効果的に伝える 書き方だよ!

 

と口を酸っぱくして言っているのですが、

実際に記事を書いてもらうと

とにかく一文が長い。

 

それがいけない、と

一概に言っているのではありません。

 

ただ、ひとつの文が長ければ長いほど

書き手のスキルが求められるのです。

 

なぜならば、飽きっぽい読者さんは

よほど文章が魅力的でない限り

長文をダラダラ読んでくれないからです。

 

ということで、とくに初心者は

基礎を鍛えるということで

  • 最小限で最大限 (ショート&スウィート)
  • つい見てしまう仕掛け
  • コピー(作品)は体感アート

といったことを意識するのがよい、と

個人的には考えています。

 

で、俳句とかもそうですが、

短い中に深い内容を込め

パンチの効いた形にまとめるのは

実はとても難しいことです。

 

実力アップのためには練習が必要。

上記に上げたような点を意識しながら

どんどん書いて書いて書きまくります。

 

そんなトレーニングの過程で

いろんな人の書いたものを見ながら

 

皆さん軒並み文が長いのは

「英語の構造がそうだから」 かもしれない

と思い当たりました。

 

例えば、こんな文章。

 

My brother, who started a new job a few days ago, called me yesterday because a weird thing happened at work.

 

上記の文章をグーグルさんで翻訳すると

 

「数日前に新しい仕事を始めた私の兄は、

奇妙なことが起こったので私に昨日電話しました。」

 

ちょっと堅いですね。

もっと自然な感じに直すと、例えば

 

「2、3日前に新しい仕事を始めたわたしの兄が

昨日電話してきたんです。

職場で変なことがあったと言うのです。」

 

「わたしの兄が数日前に新しい仕事を始めたんですが、

職場で変なことがあった、と昨日電話してきました。」

 

みたいな感じでしょうか。

 

この話はお兄さんのエピソード。

なので、思考の展開として、英語は

トピックの主(主語)=兄 が最初に来ています。

 

その兄が 「どうした」 という部分(述語)は

「電話してきた」 。

 

つまり話の根幹は

「兄が電話してきた」 です。

 

そこに

「昨日(電話してきた)」

「(その兄は)数日前に新しい仕事を始めた」

「(電話してきたのは)こんな理由」

といった詳細が付属されています。

 

学校で習ったと思うのですが

英語は、人なら 「○○+who/whose/whom」

物なら 「○○+which/that」 を使い

○○に情報を追加していくことができます。

 

追加つまり 後付けが簡単にできます

 

一方の日本語では、そうした付属情報は

主語(兄)を言う前に追加したり

(「2、3日前に新しい仕事を始めたわたしの兄が」)

 

述語(電話してきた)を言う前に追加したり

(「兄が数日前に新しい仕事を始めたんですが、」)

しなければならなくなります。

 

英語で話す場合は、

まず 「誰が」「どうした」 を言ってしまってからでも

どんどん後付け情報が可能。

 

しかし日本語なら、「誰が」「どうした」 を言う前に

その一文に盛り込みたい情報を

前もって考え整理する 必要があるのではないか?

 

それができない場合は

文をいくつかに分けることになります。

 

例:

「わたしの兄は、数日前に新しい仕事を始めました。

その兄が、昨日電話してきました。

職場で妙なことがあったと言うのです。」

 

こうすることでやっと、

 

「兄(主語)が仕事を始めた(述語)」

「兄(主語)が電話してきた(述語)」

「兄(省略されている主語)が言う(述語)」

 

という構造がクリアになり、

話もすっきりと聞きやすくなってきます。

 

それが英語なら

こんな整理整頓を先にしなくても

とりあえず「兄が」から始めて

どんどん文を長くすることができるんじゃない?

 

だったら、英語って軽く話し始めて

どんどん付け足していけばいいという

簡単な言葉だね!

 

という、まあかなり乱暴なオチでございます。

 

ただ、日本語英語に関わらず

コピーライティングというのは、こうした

文の 「構成」 をしっかり意識すること が

とても重要になってくるのは本当です。

 

日英両方の言葉で

コピーライティングを意識して書いていると、

何語であろうが本質は同じ、とつくづく感じます。

 

以前の記事でも書きましたが

結局、コミュニケーション能力なのです。

 

コピーライティングというと

よく 「話し言葉で書け」 と言われますが、

これは 「思ったままに書け」 ということではありません。

 

もしもあなたが頭に浮かんだ事を

ただそのまま書き留めていったなら、

「ポイントは何か」 がかなり曖昧になるでしょう。

 

しかしコピーライティングというのは

ポイントあってこそ、と言えます。

 

メインポイントがゴールです。

 

茶庭の灯篭に明かりをともし

来客の道案内をするように、

 

よいコピーライティングは

文章の最初から効果的に灯篭が立てられていて

読者をゴールまでスムーズに案内するのです。

 

そのポイントがボケていれば

灯篭の明かりが見えないのと同じですから

せっかくのお客様も道に迷った挙句、

「なんだよ!」 と他所へ行ってしまうでしょう。

 

「話すように書く」 というのは

あくまでも文体の話であって、

 

書き言葉だろうが話し言葉だろうが

話が上手い人というのは

  • きちんと話のポイントを理解していて
  • 構成の巧みさによって相手に上手に伝えられる

のです。

 

これぞ、コピーライティング

ひいてはコミュニケーションの極意なり。

 

ちなみにわたしのTOEICですが、

受けたこと無いから分かんないけど

かなり悪い と思います。あはは!

 

それでもなんとか生きているのは

こういうこと も大きいんじゃないかなと。

道はいろいろある、ということですね。