『返校〜悪夢再續』。

これは、台湾で大ヒットしたゲーム『返校』を小説にした作品です。

私のライフワーク都市伝説シリーズの笭菁の作品ということで早速取り寄せてみました。

ゲームが元のせいか、展開は本当にゲームっぽくてシンプル。

嵐の前日に廃墟になっている翠華中学校へ興味本位で侵入した学生グループが、白色テロ時代に悲惨な目にあった亡霊たちに襲われる一夜の話。

なぜ幽霊たちが怨霊と化しているのか・・を見ていくと、これは単純なロールプレイングゲームではなく、その時代の個人ではどうにもしようもない恐怖や怒り、悲しみを感じさせるものがありました。

 

1960年代、戒厳下の台湾。白色テロの時代。

禁書を読んでいた読書会を1人の女子学生が告発したのをきっかけに、友人が友人を売る行為が激発。

しかも、でっちあげの告発で無実の罪で逮捕されたり、自殺に追い込まれたり。

告発した女子学生も、罪の意識に耐え切れず死を選ぶという何とも後味の悪い展開。

 

侵入した現代の学生グループがグループ内の学生を告発していた事と、過去のその告発事件と重なり、亡霊達から「背叛者!」と執拗に追いかけられ殺されそうになるのが、あまりにしつこく、残酷で途中でちょっと飽きましたダウン

怨霊になるのはわかるし、本当に気の毒で言葉もないけど、もういい加減あきらめて次の世界を楽しもうって気にならないのかなー、と個人的には思いましたよ。(そう単純ではないのか??)

 

ストーリーとは別に、小説の章ごとの扉絵にQRコードがあって、それを開くとその章の場面がYouTubeで見られるのが楽しかったです。

以前読んだ、陳浩基氏の『第歐根尼變奏曲』も章ごとにその作品のイメージ曲が表示されていたのを思い出しました。

こういうの地味に嬉しい。

 

(登場人物と幽霊がややこしくて図にして理解した)

 

これ、Netflixでドラマ版を観たのですが、予想外に良い作品でした。

オカルトに焦点をあてずに、それぞれの時代の辛さや切なさ、愛情を丁寧に描いているので、ホラー耐性がない方でも大丈夫です。おすすめします。

 

この夏~秋にかけて映画も公開されるそうなので、そちらも楽しみ。

 

本を読み終えたので、とうとう評判高いゲームをやり始めましたー!

睡眠不足に注意しなくては。