今年の大河ドラマ『青天を衝け』の主人公、渋沢栄一の半生を描いた小説です。

 

 

幕末、ペリー来航ぐらいの時期から。

深谷の農家に生まれ、尊王攘夷に燃え、成り行きから一橋家の家来となり、フランスへ留学、新政府の幹部となり、退任後は経済人となり多方面で活躍。

40代なかば、これから大成功して栄華を極める前で話は終わり。

 

なんという波乱万丈・・というのか、良い意味でこだわりのない生き方。

自分の信念を貫くために、他人の目を気にせずやるべきことをやっていく強さはこれからの時代に通じるものを感じました。

「渋沢は猫の目のように変わる、裏切り者」、と言われても、最終的にはきちんと結果を出して周りも納得してしまう。

ふくよかで柔和な風貌と感情的にならず、大局的にものをみる目を持ち合わせていた稀有の人。

 

それにしても、幕末から明治時代の時代の流れのエネルギーの凄まじさよ!

その中心にいた面々の若さよ!

新政府の元勲たち30〜40代が中心ですよ。

おっさんのイメージがある西郷隆盛も木戸孝允も大久保利通も40代で亡くなってる。

令和時代の政治家の年齢を思うとなんとも言えない気持ちになってしまう。

いや年寄りだからダメっていうんじゃないんだけど・・

なんというか時代を変えるほとばしるような思いと行動に心打たれます。

 

小説にはたくさんの人物が出てくるけれど、それぞれキャラがたっていて興味深く読めました。

特に、大久保利通、岩崎弥太郎はとてもいい。強烈。

何かを成し遂げる人って、ちょっとおかしいくらいに個性的なんだろうな。

 

大河ドラマははじまったばかり。

出てくる人出てくる人イケメンで、不自然極まりませんが、草彅君はこの小説の慶喜公にイメージ合うな、と思いました。

肝心の主人公はきれいすぎて、将来頼れる優しいおじいちゃん風になりそうもないけど頑張って下さい〜〜ニヤリ