前回の記事にアップした映画『黄金時代』の主人公萧红の作品、そして「中国現代文学を語ろう会」の今回のテーマである『呼兰河传』を読みました。

映画を先に観たので、作者萧红がどのような状況でこの本を書いたのか、またどんな人生を送ってきたのかが頭に入り、小説が多少読みやすくなった気がします。

多分いきなりこの本を読んだら、とてもとっつきにくかったかも。

 

この小説は、小説ともエッセイともつかず、彼女が昔の記憶を思いつくままに淡々と書き連ねているような印象がありました。

 

形式は思い出話というエッセイだけど、おそらく著者の創作も入っているのだろうと思われました。

実際見ていない部分の詳細な記述があったり、その人の心の奥底の気持ちなどを鮮やかに描いていたりしているので。

 

前半の村の風物や風景の美しさ、昔ながらの風習などの描写と対照的に、後半は村人の何人かをクローズアップした物語。

突出して力を入れて細かく書かれていたのは、嫁いびりでした。

嫁いびりというと多少ユーモアがある言葉になってしまいますが、これはいびりを超えて虐待、殺人でした。

しかも、いじめる姑の方も自身のままならぬ閉塞感があり二重構造の重苦しさ・・

この章が特にいきいきと感じたのは、作者自身かなり女性差別に対して思うところがあったのではないかと思います。

親から、夫から、また社会全体から。

 

とは言え、読み終わってみると、なぜか作者のすべてのものに対する愛情をほんのり感じたのです。

人の残酷さも、弱さも、強さも、富も貧乏も全部ひっくるめて暖かい気持ちを注いでいるような気持がしました。

最後の章が、冯歪嘴子が苦難にめげずにたくましく生きていくところで終わったのもそう感じさせる要因かも。

作者が死を前にして人生を達観したような静けさを感じ、切ない気持ちになりました。

 

「中国現代文学を語ろう会」、今回もとても有意義な会でした。

自分が思いもしなかった意見を聞くのは目から鱗で新鮮な気持ちになります!

テーマに関した参考本や、おすすめの本などもしっかりスマホでパシャッと。(便利な時代~)

 

そして毎回楽しみな二次会の料理屋さん。

今回は池袋の『永利』でした。

中国関係の色々な話を遠慮なく話せる仲間がいるって幸せなことですね。

ほら中国の話って一般の人だと?な顔されたり、中には「嫌中」を打ち出してきたりすることもあって気を遣うじゃないですか。

先日も会社で「辮髪」って言葉をうっかり口にして???な空気にさせたところです。

 

美味しいメニューを一生懸命考えて下さったチュー太郎さん、ありがとうございました。

どれもすごくおいしかったです。普段ノーマル系の中華が多いので、たまに濃い店に来るとテンションあがります!!

帰宅してからマーラーカオ早速作りましたが、やはりこんなにふくらみませんでした・・

今後の課題にします。