ヨロヨロになりながら、

分娩室のある隔離スペースへ行く私。

旦那とはここでしばしのお別れ。


まずは待機室と言うところに連れて行かれるが,

その部屋に入ったところで再び陣痛が襲ってきた。


にもかかわらず、部屋に入っていきなり看護婦に

『一人目はいつ産んだの?』と詰問される。

こっちは痛みで立ってもいられないっつーのにっ!と

すぐに答えないでいると、畳み掛けるようにもう一度

『一人目はいつ産んだのって聞いてるでしょっ!』


『痛いんです。どこかに横にならせて…。』と言いつつ、

近場の空きベッドのヘリにつかまっていたら、

別の看護婦が横になるようにと支えてくれた。

そこに再び『痛くてもそのくらい答えられるでしょ!一人目はいつ産んだのっ!?』

苦しい息の下で『2004年5月19日…』と答えて横になると、

『分娩室に運んでっ!』


ゞ(_△_ )ゞ い、今横になったところなんですけどっ!?


容赦なく再びよろけながら分娩室に向かわされる。

先ほどまでは車椅子とか乗せられて下にも置かぬ扱いだったのに、

この差はなにっ!?


そしてすぐに分娩台に座らされる。

この時点で11時半。旦那に持たされたミネラルウォーターのボトルを

握り締め、不安におののく妊婦一人。


例のおっかない看護婦がライトをつけたり、消毒したりと

手早く準備を進めながら、別の看護婦に愚痴ってる。

『この人、外国人なのよねっ!だからS先生乗り気じゃないのよ。』


Σ(・口・)はあっ!?

乗り気じゃない先生に取り上げてもらうんかいっ!


二人目とはいえ、ただでさえ中国での出産で不安でいっぱいなのに、

乗り気じゃない先生ってどーゆーことよっ!?

あたいが中国語わかってないと思ってるわけ?


あまりにも聞き捨てなら無い一言だったので、

『乗り気じゃないってどういうこと?』と聞き返すと、

ちょっとビックリしたように『外国人だと医者のランクが違うわけ。

だからよ。』だと。ようは本来ならば自然分娩などの面倒な

出産はランクの低い医者に押し付ける事ができるのだが、

外国人だとそうはいかない、ということらしい。


中国では帝王切開が一般的だし、帝王切開だと時間的にも

短く、且つ患者の家族から『よろしく!』という謝礼も必ず出るので、

おいしいんだろーなー。


…なんて分娩台の上で考える余裕は当時ある訳もなく、

陣痛だってまだ間隔あるし、破水して無いし、

なんでもう分娩台に座らされている訳っ!?乗り気じゃないからって、

帝王切開されちゃうのかしらっ!?とますます不安を募らせていたのでした。


そして、これまた何の説明もなく、人工的に破水させられ、

いきめ!と。


一人目のとき、イタイイタイと大騒ぎして看護婦並びに先生を

困らせた私。今回は叫んだら帝王切開されちゃうと旦那に脅され、

口をふさぐためにタオルまで持参したけど…


結果はやはり泣き喚き、医者に叱られる事に。

…にしても日本で出産した時、散々怒られたけど、

今回の医者や看護婦ほど極悪非道ではなかった…(泣)。


まぁ、泣き言聞いてたら出産なんて出来ないんだろうけどぉ~。

痛みに敏感すぎる私がいけないんだろうけどぉ~。

うまくいきめない私が悪いんだろうけどぉ~。


けど、けど、

『二人目だから痛いのだってわかってるでしょ?』

『こんな騒いでたら1時間で終わるところ3時間たったってうめないわよっ!』

等々、中国語だったから所々聞き取れないものの、

罵られているということだけはじゅーーーーぶんわかりましたっ!(`ε´)


そしてこれらの罵りの合い間に、医者と看護婦は

『今日のお昼何食べる?』とか話してんの。

こんなとこだけ妙にはっきり聞き取れたりして、

アタシがこんなに苦しんでるのにっ!とムッとした。


最後に分娩室の外にいる旦那と駆けつけた姉ちゃんにも

聞こえたほどの叫び声をあげて、ようやく出産。

医者と看護婦の心無い罵りのおかげか、

なんと分娩室に入ってから30分あまり。


しかし、ここで終わらないのがさすが中国。

まだまだネタ満載なのであった…。

つーことで、『出産-いよいよ分娩③』に続く…。