工藤勇一、鴻上尚史著 講談社現代新書
副題「日本の教育はなぜ息苦しいのか」。
元麴町中学校校長工藤先生と、演劇方面を主に様々な活動をされている(らしい。存じ上げていないので、らしい)鴻上氏の対談本。
冒頭で、鴻上さんが中学校の時の運動会の踊りの練習で、長時間の練習でみんな疲れてずれてきたときに先生が言った、「お前らやる気あんのか!」に、鴻上さんの後ろのいた子が呟いた、
「やりたいなんていってない。」
に、物凄く共感。わかる!この子の気持ちわかるよ!
特に印象強かったこと。
①工藤先生が教育委員会にいた時、担当していた新宿区のいじめ件数が23区で1番悪くなった。それは案件により、児童生徒同士の謝罪ですむのから警察介入が必要なのまであるから、困っている子がいたら最適解で解決できるようにどんな案件でも報告するように伝えたから。
②教科担任ではないのに毎回番長が授業を受けに来るようになった。あるとき一般生徒Aが不良Bに、金髪にしろ、といわれ困っていると知り、番長に「うまいこといっておさめてくれる?」と頼んだ。先生と番長の信頼関係があったからできたこと。
③金八先生は理想でも正義の味方でもない。放送が始まると、学校が荒れた。
教育の最上位目標、自律する生徒を育成、こういう意識の先生はそうそういないでしょうねぇ。我が子の学校にも工藤先生みたいな先生が来てほしい。
学校の先生って学校しか知らない人が多いから。本書に『多様性ってしんどい』とありましたが、頭で理解しても、学校自体がそれを認めないことが多いですよ。