菅野仁著 ちくまプリマー新書

 

帯のコピーが、『「みんな仲良く」は幻想です。』全体の感想は、「ビジネスなかよしのすすめ」。

 

 

①1年生になったら友だち100人出来るかなの歌=子どもはみんな誰とでも仲良くなれる、友達は多い方がいいという幻想からきているもの。心豊かな心を通い合わせるようなにしたいという理想のもと、それを前提に学校学級運営するのは難しい。

(『「1人でいないで、みんなの輪に入れ」という言葉にかえって圧力を感じる子もいる』の1文に激しく同意。)

 

②上記のような「フィーリング共有関係」だけではだめで、『これさえ守ればあとは自由』という「ルール関係」を教える必要がある。

 

③自分の気分次第で人殺しをしていいとなると、今度は自分がいつ殺されるかわからないことになる。だから『殺すな』は自分が生き延びるという生命の自己保存のためのルール。世のため人のためを考える必要はない。『盗むな』もおなじ。

よって、『いじめ』をこの観点から考えると、誰かをいじめると今度は自分がいついじめられるかわからない状況を自分自身で作ることになる。

 

④むかつく気に入らないと攻撃するとストレス過剰な状態を作り、自分の危険も大きくするので、『並存性』の考え方が大事。むかつく気に入らないやつは、存在をみないようにしたり物理的に距離を置く。ただし、露骨に無視するのは攻撃と同じなので、最低限の挨拶だけして自然に敬遠するのがよい。

 

⑤上記の他に学校で教えないことには『限界があること』。可能性はあるが限界もあることを伝え、挫折を経験させそこから学ばなければいけない。挫折=人生の苦みを乗り越えていけばその先の人生のうま味を味わえる。(これは上手に我が子に伝えたいこと。必ず何かしらで挫折はあるから。)