夫が帰宅して、子供たちを寝かしつけた私は

「話があるんだけど」

と声をかけた。




夫は既に攻撃態勢といった感じで

今にも噛みつかれそうな勢いだったけど、私は冷静に言った。


「今朝、次男に言ったことはおかしいと思う。謝るのはあなたの方だと思う」

と。



それに対して、予想通りすごい勢いで反論してこられたけど、

「子供がお母さんが大好きって言うのが悪いこと?あの子にはちゃんとお父さんが日々頑張ってることは伝えたしちゃんと分かってたよ?それなのに責めること?」

と淡々と言うと

「はいはい、謝ればいいんでしょ?」

と言って、すごい勢いで階段を上がり、寝てる子供たちに対し大きな声で謝っていた。



まるで子供のようだった。




そして、下の階に下りてくるとすぐに

「こうやって、俺を悪者にしたいだけだろ」

と言ってきた。



なんでそうなるんだろう、と溜息が出たけど

「そういうんじゃない。ただ、今日はあの子が可哀想だった」

と冷静に返した。



それでもいい足りないのか、色んなことをほじくり返してはぐちゃぐちゃ言ってくるので

「私、もうどの道あなたとはそんなに長くやっていけない気がする」

と落ち着いた声で言ったら

声をはりあげて

「別にいいよ!養育費払わなくていいんなら今すぐにでも離婚してやるよ!」

と言われた。




それに対して黙ってたら

「お前なら水商売でもしたらすぐ金持ちの男くらいできるんじゃないの?」

と嘲笑った。




この言い合いがどうやって終わったのか覚えてないんだけど、

夫は、勢いで酷いことをたくさん言うんだけど、時間が経つと急に良い人になる。


最後には、

でも、子供たちがなぁー

と一応考えてる風ではあった。





ネットで色々調べてたら、夫みたいなタイプの人を
DVではなく、

「DV気質」と言うらしい。



よく、DVの加害者と被害者は共依存になると言うけど、

私はこんな人と共依存にはならなかった。


自分の嫌なことを言われたり、される度に、どんどん嫌いになって、最後には無関心になっていた。






この日の最後に、落ち着きを取り戻した夫が言った。


「俺が朝帰ってきた日に、表情一つ変えないお前を見て、あーほんとに俺に気持ちがないんだなって実感した」

と。




そう、私はひたすら離婚するきっかけを探していた。