事故をして翌日からは、全身の痛みが酷くしばらく自宅で療養しなければならなかった。


そんな時、距離を置いたはずの彼氏がやってきて、とても心配してた。


事故の前の記憶が曖昧だった私は、そこになんの疑問も抱かなかった。



むしろ、有難いとすら思った。





聞いてみたら、私は高速道路にのってすぐに、彼に電話をかけていたらしく

彼は私の心の不安定さはなんとなく把握していたので、心配になって家に来てくれたと話してくれた。




そんなわけで、彼と距離をおこうとしていた記憶が曖昧になった私は

また彼と普通に付き合うことになった。




もちろん、1度距離をおこうと感じた気持ちはなくなるわけではないので

半年も経たないうちにまた同じことを感じることになったけど

彼の存在はあの頃の私には有難かった。




私は、まともな恋愛をしてきたかどうかは別として、

割とたくさんの人と付き合ったとは思うけど、

この時の彼氏は、今でもあの人は元気かな?と思う、数少ない印象に残る彼氏だった。




それからしばらく、心の不安感や喪失感、

生きる希望がないとか、そういったものは相変わらずだったけど

比較的私は落ち着いていたかも知れない。





その印象に残る彼とは、トータル2年付き合って別れた。

そこに気持ちがあるとかないとかは分からなかったけど、

後にも先にも、あそこまで愛情表現をしてくれたのは彼だけだった。





あの頃は、彼のわがままや執着を受け入れる器もなく、

自分のことすら大切にできなかったけど

私がもっと違っていたら

楽しく恋愛もできたのかなと思うことは何度もあった。