フィギュアスケートに代表される
採点競技や、ピアノコンクールなど
他人の失敗で自分が勝利することは
よくあることである。
しかし、ライバルがこけた時、
あからさまに喜べば
「他人の不幸を喜ぶなんて
なんて卑劣な」と非難される。
だが、最近の脳科学に基づく実験では、
他人の不幸を喜ぶことは
生理的には当然のことなのだそうだ。
実験では初めに成功している友人の
報告を行い、その後にその友人が
不幸に陥った時の脳の働きを調べた。
すると脳の中では側坐核という
部位が活発になる。
側坐核は、快感を生み出す
「報酬系」の場所で、
やる気とかモチベーションとも
深く関係している。
他人の不幸を喜ぶなんて
卑劣で汚らわしいとは言うけれど
脳としては正常な反応を示しているのだ。
側坐核が活発になる度合いは、
嫉妬や劣等感、不安を司る前帯状皮質
の活動の大きさに比例する。
嫉妬が強かった時ほど
他人の不幸の快感もまた大きい
というわけである。
なんだかこんなことを書くと
身もふたもない話で、人間が
嫌になるが、
確かにフィギュアスケートなどを見ていて
日本選手のライバルの外国選手がこけると
「よっしゃ」と言ってしまう自分がいる。
生理的とは人間たる生物活動の
根源であるから、この感情を無理に
道徳観などで押さえつけるのも
どうかとは思う。
しかし冷静になって見ると
対戦競技ならいざ知らず、
自分の仕事などでは敵失で利する
場面など滅多にはない。
それならむしろ人と比較する
のではなく、過去の自分との比較に
向かうべきなのだと思う。
側坐核といえども
敵失だけが活発化する
要因ではないだろうから。