お彼岸も過ぎ秋が深まって、
虫の声が耳に心地よい季節になった。


日本人には心地よく聞こえる虫の声も
世界の人々にはノイズでしかないらしい。


ドイツにも虫を飼育する文化はあるが
虫の声を愛でるのは日本人の他には
中国人くらいだという。


虫の声だけでなく、
日本人は自然の音をずっと好もしく
感じてきた民族である。


たとえば「潮騒」。


波が浜に打ち寄せては引く
あの時の音に日本人の左脳は
揺さぶられる。


だが、欧米では単なるノイズ
とされている。


現に三島由紀夫の小説「潮騒」の英訳
タイトルは、「エレメンタル ノイズ」
という。


うーむ、なんというガサツな。
情緒のかけらもない題名だ。


夏目漱石が英国のある場所に行った時、
建物が苔むしていていい風情だったので、
「時代がついて結構なたたずまいですな」
と言ったら、


英国人の建物の主人は、
「汚らしいので近々掃除してきれいにする
つもりです」と答えたそうな。


日本人が自然や風物に感じる感情は
世界的には非標準のようだ。


だが、これこそが日本人の強み
ではないか。
もっと誇りを持つべきである。


昨今日本ブームと言われ、
サブカルチャーはずい分と世界に拡散
しているようだが、


本当の日本の心はまだまだ
理解されていない。


今のところ日本人しか理解できないこの文化、
近い将来必ず世界の羨望の的になる。


人でも国でも独自に育んできたものだけが
真の強みになっていくと思う。